池井戸潤「下町ロケット」

 間違いなくエンターテイメント。佃航平は宇宙ロケットを開発する技術者であったが、ロケット発射失敗の責任を取って研究所を退職。父の経営していた会社を引き継ぎ、大田区の町工場の社長になった。ロケット開発の夢は挫折したが、佃製作所は研究開発型の中堅企業として成長していた。そこへ難題が持ち上がる。大口取引先が突然取引を打ち切ってきたのだ。経営に大打撃で、穴埋めをしないと赤字転落の危機である。そこへ更なる追い討ちが入る。競合の大手メーカーが特許侵害の訴訟を吹っ掛けてきたのだ。狙いは佃製作所の技術力。資金面で劣る佃製作所を兵糧攻めにして傘下に収めようとしているのだ。