風野真知雄 の 耳袋秘帖 南町奉行と大凶寺

★3.2 根岸肥前守登場の新シリーズということで、初巻を読んでみた。

深川の題経寺で不吉な噂が広まっており、大凶寺と呼ばれるようになっている。奉行直属の夜回り同心・土久呂凶四郎と源次は、愛宕下の新シ橋のたもとの柳の下に立つ幽霊を演じる女を調べることになった。この女の次の商売先も題経寺、だがここで命を落とすことに。

物語は、事件を、土久呂凶四郎と源次の動きで語らせ、根岸肥前の勘と洞察力によって核心に近づいていくもの。各所で「耳袋」の話も登場する。不思議な話を期待したのだが、単にそれを利用する人間の子供だましの展開で残念。

カテゴリ:アート・文化