連載:俳句帳

7月の俳句帳(111)令和四年7月29日

1)水甕(かめ)の耀(かがよ)ふ門扉(もんぴ)夏とんぼ

2)朝庭の揚羽陽射しに瑞瑞(みずみず)し

3)田仕事の一段落や半夏雨(はんげあめ)

4)夏安居(げあんご)や風呂へ井戸水僧走る

5)庭座敷陽射し遮(さえぎ)る葭簾(よしすだれ)

6)青墨で床の掛け軸団扇風(うちわかぜ)

7)水撒きや坪庭皿の藍濡らし

8)蝉の声今日は雨降り耳の中

9)葉の打ちて高鳴る瓦(かわら)泣く白雨(はくう)

10)山稜を重ね墨絵の夏穂高

11)翳(かげ)る部屋燐寸で蚊取り京町家

12)三敗の逸ノ城制覇名古屋場所

13)昏がりの建築現場三尺寝

14)しし