連載:俳句帳

11月の俳句帳(115)令和四年11月29日

1)北斎の大浪(おおなみ)漕ぎて冬支度

2)声明(しょうみょう)や谿(たに)への木霊(こだま)冬に入る

3)苦悩より添水唐臼(そうずからうす)夕陽落つ

4)コロナ禍に併(あわ)せ円高吹く凩(こがらし)

5)雄蟷螂(とうろう)目合(まぐわい)逐えて喰われけり

6)露地奥は行き止まりなり秋の暮れ

7)月蝕や話題かしまし秋夕餉(ゆうげ)

8)畳み目に茶道の所作や足袋茶室

9)散り紅葉(もみじ)続く杣道(そまみち)埋めて行く

10)濡れ落ち葉踏みて行脚(あんぎゃ)の若き僧

11)笹鳴きで在処(ありか)を