植松三十里 の 帝国ホテル建築物語

★3.5 帝国ホテルのライト館の完成までを、ライトを招聘した支配人の林愛作(あいさく)とライトの助手を務めた建築家の遠藤新(あらた)の目を通して語る物語。

明治42年(1909年)赤字続きだった初代帝国ホテルの支配人となった林は、経営の立て直しを行い、手狭となったホテルの新築検討に着手する。目をつけたのはアメリカの若き建築家フランク・ロイド・ライト。ライトは親日家で、浮世絵や日本建築にも理解があった。林は帝大建築科卒業の遠藤をライトに紹介しアメリカのライトの弟子として送り込む。

林が前年に日本を訪れたライトの案をもとに帝国ホテルの重役会議に新