あさのあつこ の 「渦の中へ おいち不思議がたり6」

★3.5 シリーズ6作目。30万部突破とある。
おいちは新吉と所帯を持った。場所は路地を挟んだ同じ菖蒲長屋。女房を亡くした巳助の出ていった後である。事件はこの巳助の係わる毒殺事件である。おいちが長屋を出ていく巳助が黒い霧に包まれるのを見てしまったのだ。油問屋・浦之屋で起きた食中毒事件に続く乳母の服毒自殺事件。その犯人は己だとして巳助が自供したのである。

おいちは父親の松庵を手伝いながら、長崎から出てきた女医・石渡明乃の塾へ通っている。塾は伯母のおうたの紙問屋、香西屋が離れを提供してくれた。長崎時代からの弟子、美代がおいちの話し相手として活躍する。