門井慶喜 の 「文豪、社長になる」

★3.5 文芸春秋を創設し、芥川賞・直木賞を作った菊池寛の生涯。

若い頃はあちこちの大学をふらふらと、金も無いのに、何をやりたいのかわからずというより、執筆業をやりたいが自信がなく、時事新報社会部記者として就職したのが実情のようだ。

『中央公論』への寄稿で「忠直卿行状記」や「恩讐の彼方に」などで脚光を浴び、次の新聞長編「真珠夫人」で売れっ子となる。若手育成の『文芸春秋』創立もその勢いのよう。

時代を先取りした総合雑誌化も、このあたりのセンスは抜群であったようだが、経理のセンスは全くなかったよう。
戦時中は他の大半の作家がそうであ