連載:知ることの地平

いくら見ても誤る

本当のこととは異なって、かならず見まちがえてしまうというものがある。注意深くしていても、なんど見ても、やはり錯覚する。注意が足りなかったとか、うっかりしていたというのでなくて、本質的に見間違う。これには、自分の感覚ってけっこう当てにならないものだ、と痛感させられる。

単純でありながら正しく見ることができない例として、
図にあるようなもの。有名な絵だ。

2つの板のようなものがつながった図だが、上の板(A)は暗い色をしているのに対して、下の板(B)は白味を帯びている。そう見える。

しかしこれは間違い。
試しに板が接している部分を削除して