ベートーヴェンの 交響曲第1番・第7番 序曲「コリオラン」をクレンペラーの指揮で聴く

2022年7月以来の鑑賞。
懐かしい故郷へ帰ってきたような思いに一瞬囚われた。
交響曲第1番。
アダージョの序奏に続き、主部に入るが、所々にハイドンやモーツァルトを想起させる楽句もあるものの、堂々とした佇まいや音楽の前進性はベートーヴェンならではだ。クレンペラーの演奏はベートーヴェンの音楽の構築性を余すところなくとらえたものでスケールの大きなものだ。
第2楽章はアンダンテ。ふくよかで、心和む音楽だ。クレンペラーは例によって構えの大きな演奏を展開するが、その中から優しさと温もりが自然に立ち昇る。
第3楽章は、スケルツォと言ってもよいだろう。中間部のオーボエ