羽根田治「山のリスクとどう向き合うか」

 私は四国歩き遍路の足慣らしとして、近隣の低山にトレッキングに出かけることがある。首都圏のメジャーな低山でも、ちょっと油断すると滑落・遭難しそうと感じることはあり、本書を読んでみた。山での遭難事故の事例がたくさん取り上げられており、これだけ畳み掛けられるともう山に行こうという気がしなくなる。それだけ山には危険があり、そのことをよく理解して自己責任で覚悟をもって山に臨んで欲しいということが著者のメッセージなのであろう。

 著者がそのようなメッセージを発せざるを得ないような遭難事故が増えていることが背景にある。自分の体力に対する過信、必要な装備も備えず、天