マーラー の交響曲第9番をクレンペラーの指揮で聴く

愛聴盤のバーンスタインを含め、これまで幾つかの演奏を聴いてきたが、およそクレンペラーの演奏ほど深々としたものはないだろう。
第1楽章を聴き始めれば、内に秘めたクレンペラーのマーラーへの思いの一端が感じ取ることができる。虚飾や誇張を排した、そして甘美さのなさはクーベリック指揮の演奏に通じるものがある。厳しさと骨太のイメージはクレンペラーならではだ。ラストは「大地の歌」を想起させるものがある。
第2楽章はクレンペラーらしいゆったりとしたテンポ。素朴でありながら地に足の着いた力強さもあるがそれらを外面的に強調しないところがクレンペラーらしい。ファゴットやヴィオ