「プロコフィエフ」の日記一覧

会員以外にも公開

プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番 ・第2番を聴いて

ヴァイオリン協奏曲第1番。 プロコフィエフが音楽学生の時に書かれた曲。 第1楽章にはアンダンティーノの表記がありヴァイオリン独奏による抒情的な旋律が印象的だ。同時にベルキンの奏でるヴァイオリンの音色の美しさに魅力を感じる。 第2楽章は協奏曲としては珍しいスケルツォ。ベルキンの卓越した技巧が聴きどころだ。気迫のこもった切れ味の鋭い演奏は聴く者に強く訴えかける。短い楽章だが、プロコフィエフの才気が迸…

会員以外にも公開

プロコフィエフ のピアノ・ソナタ第4番・第7番・第9番をメルニコフの演奏で聴く

ピアノ・ソナタ第4番。 先日読んだ本の中でも触れていたが、リヒテルが好んで演奏していたとある。メルニコフはリヒテルの弟子である。第1楽章はアレグロ。仄暗い音楽の中にプロコフィエフの沈思黙考する姿が重なる。 第2楽章はアンダンテ。瞑想的な気分が支配的だ。作曲者自身も気に入っていたと伝えられる。メルニコフのピアノの音は非常に美しい。一音一音が輝きを放つものの派手さはなく質の高さと品格を感じた。 第3…

会員以外にも公開

プロコフィエフ のヴァイオリン・ソナタ第1番 ・第2番他をクレーメルとアルゲリッチの演奏で聴く

ヴァイオリン・ソナタ第1番。 初めて聴く作品。クレーメルとアルゲリッチは他にも幾多の名演を残しているが、この演奏もお互いの特徴を余すところなく発揮した名演だ。怜悧ながら高度な技巧を持ちつつもそれをひけらかすことのないクレーメル。アルゲリッチは情熱的で力強く燃焼度の高い演奏を展開するものの、抑制すべきところは心得ている。第1楽章には2人の特質がすでに凝縮されている。 第2楽章ではそうした点が顕著だ…

会員以外にも公開

プロコフィエフの ピアノ協奏曲第3番 ・ラヴェルの ピアノ協奏曲ト長調 他をアルゲリッチのピアノで聴く

2020年2月以来の鑑賞。 アルゲリッチが最初にオーケストラと録音したもの。 当時26歳であったとことが解説書でわかる。 プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番。 ダイナミズムに溢れる音楽は、アルゲリッチのピアノとの相性もよさそうだ。一方、抒情的な楽句においてもだ。息を飲むようなアルゲリッチのピアノの響きの美しさと技巧の幅の広さと豊かな表情がここにある。それらをサポートするアバドの指揮するオーケスト…

会員以外にも公開

ムソルグスキー /「はげ山の一夜」(オリジナル版) プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番 他をテンシュテットの指揮で聴く

2019年2月以来の鑑賞。 ムソルグスキー:「はげ山の一夜」(オリジナル版)。 一般的にはリムスキー・コルサコフの編曲によるものが演奏され、CDもこちらが流通している。自身も一般的な編曲のゲルギエフとデュトワの演奏を聴いている。テンシュテットはオリジナル版を選択したが、聴いていて粗野な感じがぬぐえないものの、こちらを好んだのだろう。 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番。 第1楽章を聴いていて、…

会員以外にも公開

プロコフィエフの 交響曲第1番「古典」・第5番をデュトワの指揮で聴く

交響曲第1番「古典」。 ジュリーニとゲルギエフの演奏で聴いてきた。前者は「展覧会の絵」の余白に収められていたLP。後者は交響曲全集からであり、当然第5番も聴いていた。ハイドンが生きていたら書いたであろう交響曲をプロコフィエフが書いたと伝えられている。 第1楽章の冒頭から、確かに作曲者の言による通りだと頷く。 第2楽章はラルゲット。「古典」的な趣が支配的だが、至る所にプロコフィエフが生きた時代なら…

会員以外にも公開

復讐は人間の心の嵐を掻き立てる最大のもの…嵐と復讐の音楽ーーモーツァルト、ベートーベンそしてプロコフィエフ

ウィリアム・ターナーは海の嵐を描いて 人類史上最高の画家だった 嵐に翻弄されてのたうつ難破船の姿は壮絶だ 音楽ではヴィヴァルディから始まって 多くの作曲家が嵐を描いてきた 人の苦難、葛藤、困苦、絶望... そんな状況の中で見える一条の光 それを求めて作曲家は 実にすばらしい音楽をつくってきた。。。 ヴィヴァルディ 『夏ーー3楽章』 この名曲は古今東西何万人が弾いているが マリー・サ…

会員以外にも公開

お宝名曲No.248 プロコフィエフ「鉄と鋼の交響曲」

セルゲイ・プロコフィエフ (1891年4月23日 - 1953年3月5日ロシア) 「交響曲第2番ニ短調 op.40」 初演は1925年のパリ。 聴衆の反応は冷淡で、音楽界でも拍手喝采したのはプーランクのみ。 現代でも演奏されることはほとんどないようです。 因みに「鉄と鋼の交響曲」とは、この交響曲のコンセプトについてのプロコフィエフ自身の言葉です。 当のプロコフィエフ自身、 「私の作品中で最…

会員以外にも公開

センチュリー定期 第222回

センチュリー定期 第222回 ブルックナーのロマンティックを、飯森さんとセンチュリーがどう聴かせてくれるのか、期待して出かける。今回は、定期会員に招待券が配られたので、時々アンサンブルでご一緒する美人ヴァイオリニストのTさんをお誘いした。 最初は、アレクサンダー・ガヴリリュクのピアノで、プロコフィエフのピアノ協奏曲。技術的にはとても難しい曲だと思うが、見事なテクニックで演奏するカデンツァ…