「年を取る」の日記一覧

会員以外にも公開

「記念撮影」

旅に出ようと孫の世話に明け暮れようと、仕事には行く。 一日中カルタをしている婆様がいる。 「これで何回目ですか?」 「初めてだよぉ」 毎回毎回「初めてやる」感覚。羨ましい。 隣の婆様はホームに入居して何年も経つのに、「三日も家を空けたら不用心だから帰ります」と夕方が近づくと言う。 「それは心配ですね。でも今日はもう夕食の用意をしてありますから、泊まって行ってくださいね」 そう言って手を繋い…

会員以外にも公開

「同じ本を2回読むと」

またもや二回目読みをしている。私は食べた事のある美味しい料理をもう一度食べるより、食べた事のない得体のしれない料理を選ぶタイプ。珍しい。 『夜明けの全て』を2回読み、今度は『52ヘルツのクジラたち』が映画化されると知り、読み始めた。読んだのは2021年だ。ここにジャンル別に保存されているから探し出した。 なんて暗くオゾマシイ内容だろう。実の親が子供を虐待する。 年を取るのは始めての経験なの…

会員以外にも公開

「年を取るってなあに?」

「バアバ、年を取るってどういうこと?」 4歳の孫は、話していて分からない言葉があるとどんどん聞いて来る。今回の訪問で心に残ったのはこの質問だ。 やはり来年の保証はないと心の何処かで考えている。もちろん癌の再発転移だけでなく、年を取ろうが若かろうがある日突然事件事故に巻き込まれて死ぬ事もあるし、病気になる事もある。 やりたい事があったら今すぐやれと思ってきたし、周りにも言って来た。 今の私…

会員以外にも公開

庭の柿の木に鳩が巣をつくっています。。

ずっとずっとパソコン開かず 入力の仕方も忘れてしまいそう コロナともちょっとうまく付き合えそう そんな日々 庭の柿木に鳩が巣を作って座り始めました。 人は足から死んでいく 思いもよらなかった70歳になり 心は18歳なのに  神様から借りた体は 確実に 70才であります。 趣味人のことは全く忘れて 久しぶりに開いてみています。。 庭の緑がとってもきれいで 苔の緑もあざやかで 柿の木のセッコ…

会員以外にも公開

「年を取ると出来ない事が増えると思ってた」その②

登りで下るのは嫌だ。下った分だけ登らなければならぬ。せっかくリフトで1502メートルまで来たのだ。因みにロープウェイで降りた天神平駅は1319メートル。 急登だ。大きな岩がゴロゴロしているし、昨日の雨で濡れている。下り出した途端に滑ったから、一眼レフはリュックに入れて両手を自由にした。 手には軍手だ。那須の茶臼岳に登った時学んだ。手を突いて登る時があり、幾ら汚れても平気な軍手は必需品。 か…

会員以外にも公開

「孤独との付き合い方をまた一つ見つけた」

やっと見つけた気がした。 薄暗い室内に展示された絵はどれもこれも皆小さく精緻で、顔を近づけて見た。それができる入場者の数だった。描かれた植物には見覚えがある。見覚えがあると言うただそれだけで、こんなにも心躍るものなのか。 一度行ったことがあった。スカイツリーが見える地域をぶらぶら歩いていたら、それにぶち当たり、たった100円という料金に惹かれて入った。建物は自己主張せず控えめだったが、中は…

会員以外にも公開

「ブロッコリーが咲いた」

ブロッコリーが咲き出した。野菜用の深いプランターに植えた苗は、順調に生長し、農家が育てているのと変わらない大きさになった。一株98円の植物がこれほどまでに私を喜ばせるのか。私は毎朝眺めた。 葉っぱは人並みになったが、果たして実が出て来るのか心配していた。 やがて小さな花芽の集合体が顔を出したとき、万歳をした。なんだ野菜造りは存外簡単ではないか。スーパーで一個198円の値段がほぼ一年中下がらな…

会員以外にも公開

「孤独」

台所の窓辺にスマホを立て掛ける。イヤホンの方が「自分だけ感」を満足できるが、周りの気配も感じていたい。 6時半はまだ薄暗い。外に出ると明るい満月が笑っている。 自転車に乗るときにはイヤホンは危険だから聞かない。 「朝の空を見上げて 今日という一日が 笑顔でいられるように そっとお願いした」 声に出して歌う。前から子犬を連れた爺様が来た。 「おはようございます」 急坂は自転車に乗ったまま…

会員以外にも公開

「年を取るのも悪くないその③:心慰めるもの」

カサブランカが咲いた。花屋で買うことでしか手に入らなかった高価な花が、目の前にある。一週間も続いた強風にリビングに避難させていたものを漸く外に出した。一輪、また一輪と咲いた。窓際に置いたソファーを隣の和室に移す。カーテンは閉めない。すっきりした部屋から、力強い真っ白なその姿が見える。 空をよく見た。足を留めて見たくなるような美しい空が連日続いた。妖しいまでに美しい空の向こうで、平成最大の水害が…

会員以外にも公開

「年を取るのも悪くない」

私は人に合わせるタイプで、相手の言うことにノーが言えずただひたすら耐える雪国の女だとずっと信じて疑わなかった。が、それは思い込みだと気付く年になってしまった。 総武線平井駅に集合するウォーキングイベントに参加ポチした。その近辺は何度か行ったことがあるが、河津桜があるとは知らなかった。あの濃いピンクは紅葉や桜同様、毎年見逃したくないものの一つだ。 朝玄関を開けたら雪交じりの雨だった。もし主催…