連載:俳句帳

6月の俳句帳(98)令和三年6月30日

1)渓流のせせらぎ岩魚(いわな)潜む淵(ふち)

2)動くかに見へし青鷺北斎画

3)香道を聞く爽やかさ梅雨(つゆ)茶室

4)梅雨庭や実梅降り止み梅しごと

5)雨烟(けぶ)る紫陽花(あじさい)淡く藍の毬(まり)

6)一山(いちざん)の満天の星螢の火

7)巣ごもりの自粛疲れや焼酎瓶

8)躙(にじ)る前 蹲(つくばい)の音涼し音

9)黒ジョカの前割酌みて柿若葉

10)梅しごと終えて安らぎ守宮(やもり)鳴く

11)清流で育つ葉柄(ようへい)夏山葵(わさび)

12)夏蝶の飛ばされ一線青嵐

13)梅雨畳実梅並べて芳(かお)り立つ

14)破れ揚