連載:俳句帳

四月の俳句帳(120)令和五年4月29日

1)和蠟燭(ろうそく)蝶呼ぶ灯り鄙(ひな)の宿

2)山奥の清明な空過疎の里

3)古民家の敷居の段差春カフェ

4)春霖(しゅんりん)やヴィバルデイを聴く庭座敷

5)陶皿を鳴らす雨音春時雨

6)木の芽雨萌葱(もえぎ)の並木観て歩く

7)穀雨来る南高実梅鈴なりに

8)柑橘の花芽累累(るいるい)穀雨庭

9)選挙戦終わりて川辺花筏(いかだ)

10)春愁や夜に愛犬昇天す

11)青春を呼び戻す庭春揚羽

12)春眠の醒めぬ川岸甲羅亀

13)瀬の音を耳に川風暖かし

14)庭で摘み三つ葉の香る御御