朝日新聞 朝刊 「折々のことば」 鷲田清一 12月8日は 「生にはなんの意味もないという事実は、生きる理由の一つになる」 でした。 ルーマニア出身のシオランという人の言葉だそうです。 鷲田さんはこれを 「意味とは異なる次元で生を支えるものを手探りするよう誘っている」 としています。 以前、ある人の「生きる意味」がテーマの日記に「生に意味はない」とコメントしたことがあります。 同じように…
禅のお坊さんの著された本に、あるがん患者さんのお話が出てくる。どのようにして向かい来る死と向き合ったのかが書かれている。 本に紹介されたその方は、肝臓がんにかかりあまり余命がないとわかった。意気消沈していたころに、本の著者であるお坊さんと会う機会があり、お坊さんは彼の病気のことを知る。 そこで、禅のお坊さんは思ったそうだ。 きっと治りますよなどど気休めをいうのが一番よくない。中途半端な励まし…
ポジティブ思考というのが流行っていて、なんとなく前向きに努力を積み重ねていけば、やがて幸せに到達できるという考え方に染まってしまったのではないか。後ろ向きの考えはいけない、いつも光の方向を向いて歩いていくんだというような思想だ。 若い頃、自分はネクラを自称しており、ものごとの裏側とか欺瞞を指摘したりすることをやっていたので、嫌なヤツだ、暗いヤツだ、お前のそのような考え方はよくないと非難されるこ…
若い頃に、村野四郎のこの詩に触れ、詩という表現が、 人生の一つの断面を切り取り、それを永遠に定着する ものだと感嘆した。 それ以来、同人誌を立ち上げてみたり、 自らまねごとをして詩を書いたりするようになったの だから、自分にとっては記念碑的な作品だ。 この詩のことを思い起こしたのは、のちに述べるが、 理由がある。それはさておき・・・ *****************************…
死後の世界、それに死後も存続するといわれている魂のことについて、お気に入りさんがたくさん記述している。 自分はなぜか、そのような議論に関心はいだきつつも、議論には熱が入らない。その冷めた感じは、他人事のよう。 他人事と書いたが、厳密な意味でも、それは自分のマターから外れた、非自分のことがらに感じているからだ。 死の世界とは、生の世界から少しはみ出して、ぼんやりと踏み込んでしまう異境の世界なの…
波に似て満ちれば引くと思うほどきみの吐息と声思い出す …
ボクたちはいつでも目覚めているわけではない。 ときに妄想し、空想の中で遊んでしまう。 そのたびに足元がふらついて、自分がどこにいるのか わからなくなる。青い鳥を見つけたと興奮して、 今からさ迷いでてしまう。 それら迷いまみれのことがらは、むかしから 多くの人がやってきたことがらだ。 それが失敗だったと気がついても、気がついたことへ 気持ちがさ迷っていく。気がついたという思いが 新たな迷いの種子…