「歳時記入門」の日記一覧

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【歳時記入門】俳句のテキスト

7/15 【歳時記入門】俳句のテキスト 仲夏 明らみて一方暗し梅雨の空 高浜虚子 樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ 日野草城 咲きのぼり梅雨晴るる日の花葵 松本たかし 睡蓮の池まづ梅雨に入りにけり 久保田万太郎 裁ち縫ひの傍に置く子や梅雨の入り 長谷川かな女 梅雨晴れや蜩鳴くと書く日記 正岡子規 葉がくれて見ゆる白さや梅雨の月 原 石鼎 * 梅雨(つゆ)/黴雨/梅の雨/梅霖/青梅雨/荒梅雨 /梅…

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【歳時記入門】俳句のテキスト

7/14 【歳時記入門】俳句のテキスト 青鳩や礁つづきに小樽港 勝又木風雨 *  青鳩・・・ ハト科で全長三十センチくらい。鳩ほどの大きさである。 の全身 黄緑色、背面は暗緑色胸は黄色味が強く腹部は白 い。「オーアア ーオオアーオーオー」と、やや不気味な 声で鳴く。初夏から秋に かけて海岸に降り塩水を飲む事 がある。 【俳句】貴方の俳句ノートとしてコメント欄を解放中! 青鳩や夕暮れ抱き峡に鳴く …

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【歳時記入門】俳句のテキスト

7/13 【歳時記入門】俳句のテキスト 三夏 飛ぶ鮎の底に雲ゆく流れかな 鬼貫 またたぐひ長良の川の鮎鱠 (なます) 芭蕉 石垢になほ食ひ入るや淵の鮎 去来 釣竿に鮎のあはれや水はなれ 北枝 鮎くれてよらで過ぎ行く夜半の門 蕪村 時鳥一尺の鮎串にあり 正岡子規 鮎季の山の重なる京都かな (あゆき) 長谷川櫂 *  鮎(あゆ)/香魚/年魚/鮎生簀・・・ 夏の川魚の代表。川の水や苔の香りのするところ…

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【歳時記入門】俳句のテキスト

7/12 【歳時記入門】俳句のテキスト 涼しさを我が宿にしてねまるなり   芭蕉 涼しさや鐘をはなるるかねの音  蕪村 かけ橋や水とつれ立つ影涼し  麦水 大の字に寝て涼しさを淋しさよ 一茶 涼しさや松這ひ上る雨の蟹  正岡子規 水盤に雲呼ぶ石の影すゞし  夏目漱石 涼しさや錨捲きゐる夜の船 日野草城 水底の砂の涼しく動くかな 長谷川櫂 涼しさや赤子にすでに土踏まず 高田正子 *  涼し/すずし…

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【歳時記入門】俳句のテキスト

7/11 歳時記入門】俳句のテキスト 仲夏 室生寺の塔に雨降り苔の花 細見綾子 打水に浮き出て暮れぬ苔の花 原 コウ子 沙羅の花苔に降りつぐ夜ならむ 船越淑子 今の夜の竹を育てつ苔の花 才磨 水かけて明るくしたり苔の花 乙二 松かさのころびかかるや苔の花 羅川 苔咲くや親にわかれて二十年 鬼城 *  苔茂る/青苔/苔青し/苔の花/・・ 梅雨時の雨をたっぷり吸って、苔が青々と茂ること。 湿気を好…

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【歳時記入門】俳句のテキスト

【歳時記入門】俳句のテキスト 初秋 梶の葉を朗詠集の栞かな 蕪村 しほらしや梶を売る子のつなぎ銭 嘯山 梶の葉に配り余るや女文字 几董 梶の葉の願ひはかなき女かな 長谷川零余子 梶の葉に古人のごとく歌書かん 長谷川櫂 *  梶の葉/かじのは/かぢのは/梶の七葉/梶葉の歌 /梶葉売・・・ 七夕の夜、七枚の梶の葉に歌を書いて織女星にたむける 風習。七枚の葉に歌を書くのは七夕の七にちなむ。歌に は天の…

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【歳時記入門】俳句のテキスト

7/10 【歳時記入門】俳句のテキスト  下野の夢膨らんで枝たわわ 花の俳句 下野や浮きし薄紅花の雲 徒然庵の俳句日記 下野や蕊ふる小花数知れず 徒然庵の俳句日記 下野を雨呼ぶ花と思ひしや 徒然庵の俳句日記 下野や蕊の睫毛に涙雨 徒然庵の俳句日記 下野や蟻と蕊との背比べ 徒然庵の俳句日記 * シモツケ(下野)/しもつけそう/くさしもつけ・・・ 関東地方以西の本州、四国、九州に分布する多年草。 …

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【歳時記入門】俳句のテキスト

7/9 【歳時記入門】俳句のテキスト 子をつれて茅の輪を潜る夫婦かな 大江丸 向うより子どものまねく茅の輪かな 高田正子 草の戸や畳かへたる夏祓 太祗 灸のない背中流すや夏はらひ 蕪村 夕かぜや夏越しの神子のうす化粧 大江丸 形代にさらばさらばとする子かな 一茶 天地の力もて結ひ茅の輪かな 長谷川櫂 *  茅の輪(ちのわ)/ちなわ/菅貫/茅の輪潜り/輪越の祓 /名越の祓・・・ 茅を束ねて大きな輪…

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7/8 【歳時記入門】俳句のテキスト三夏 糸蜻蛉止りて翅を開き閉づ 右城暮石 とうすみやまた雨叩く水の面 岸田稚魚 尾を曲げて瑠璃の濃くなる糸蜻蛉 堀口星眠 糸蜻蛉草に弾かれ飛びにけり 稲畑廣太郎 糸蜻蛉止りて翅を開き閉づ 右城暮石 *  糸蜻蛉/いととんぼ/燈心蜻蛉/とうすみ蜻蛉/豆娘 /とうしみ蜻蛉・・・ イトトンボ亜目に分類される昆虫の総称。体長は五、六 センチ。ヤンマなどが直線的に飛ぶの…

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【歳時記入門】俳句のテキスト 初秋 七夕や秋を定むる初めの夜 芭蕉 七夕のあはぬこゝろや雨中天 芭蕉 高水に星も旅寝や岩の上 芭蕉 七夕やまづ寄合うて踊初め 惟然 七夕や賀茂川わたる牛車  嵐雪 恋さまざま願ひの糸も白きより 蕪村 七夕に願ひの一つ涼しかれ 成美 うれしさや七夕竹の中を行く  正岡子規 星屑の恋する秋となりにけり 長谷川櫂 *  七夕(たなばた)/棚機/棚機つ女/七夕祭/星祭 …

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7/7 【歳時記入門】俳句のテキスト  老人の白昼夢見る夾竹桃 斉藤節 夾竹桃遊び尽くして帰りけり 蘭草慶子 かどは酒屋で夾竹桃が咲きだした 山頭火 いつも見て通る夾竹桃のなんぼでも咲いて 山頭火 夾竹桃そのかげで氷うりだした 山頭火 *  夾竹桃・・・ 原産地がインドの常緑の潅木。乾燥に強い為、街路樹や 工場地帯の緑化にも使われる。花は白や桃色の濃淡で、 一重と八重咲きがある。 【俳句】貴方の…

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7/6 【歳時記入門】俳句のテキスト 花をやれとかく浮世は車百合 宗因 わすれ草もしわすれなば百合の花 素堂 百合の花折られぬ先にうつむきぬ  其角 飴売の箱にさいたや百合の花 嵐雪 ひだるさをうなづきあひぬ百合の花 支考 かりそめに早百合生けたり谷の房 蕪村 *  百合の花/鬼百合/鉄砲百合/笹百合/姫百合/車百合 /山百合/鹿の子百合/透百合/白百合・・・・ 百合は夏、ラッパ形の香り高い花を…

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7/5 【歳時記入門】俳句のテキスト 梅雨晴れや手枕の骨鳴るままに 横光利一 梅雨晴れ間すぐ曇り雀鳴き縺(もつ)れ 日野草城 * 梅雨晴/つゆばれ/梅雨晴る/梅雨晴間/梅雨の晴・・・ 梅雨の最中にふと晴天がのぞくこと。洗濯物を干したり 、梅干を並べたりと梅雨の最中の貴重な日差しであり、 気持ちの良いものである。  【俳句】貴方の俳句ノートとしてコメント欄を解放中! 髪軽く切って背が伸び梅雨晴間 …

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7/4 【歳時記入門】俳句のテキスト 樹に池に降り来る音や水鉄砲 鈴木花蓑 *  水鉄砲/みずでっぽう/みづでつぱう・・・ 夏の水遊びの玩具、圧縮した空気で水を発射する。竹製 の単純なものに季節感があるが、現代はプラスチック製 のものが一般的。 【俳句】貴方の俳句ノートとしてコメント欄を解放中! 子が竹の節切るのこや水鉄砲       あけび庵 からじりの力押し出し水鉄砲       あけび庵 …

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7/3 【歳時記入門】俳句のテキスト 青柿の夜々太りつつ星は気儘 波多野爽波 青柿のまだ小さければしきり落つ 高浜年尾 城守る青柿ばかり会津なる 杉本寛 青柿の堅さ女の手にすわる 西東三鬼 四角ばる青柿の面蟹に似て 高澤良一 *  青柿・・・ まだ熟さない青い柿である。渋くて食べられない が葉の間にだんだんと大きくなりやがて熟して行 くのを見ているのは楽しい。青柿が風害などで落 ちて転がっている…

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7/2 【歳時記入門】俳句のテキスト 照り返す溽暑の土を眩しみぬ 中川鼓朗 仏眼と眼が合ふ溽暑暗くして 岸田 優 朴の葉に金蝿を置く溽暑かな 富安風生 朝からの溽暑ぶつぶつ家を出る 菅野一狼 * 溽暑(じょくしょ)/蒸し暑し/湿暑(しつしょ)・・・ 湿度の高い蒸し暑さをいう、じっとしていても、脂汗の にじむような蒸し暑さ。不快指数の高い不愉快な暑さと いうものです。 【俳句】貴方の俳句ノートとし…

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6/30 【歳時記入門】俳句のテキスト  かはほりのかくれ住みけり破れ傘 蕪村 かはほりやむかひの女房こちを見る  蕪村 かはほりや月のあたりを立ちさらず  暁台 かはほりや古き軒端の釣しのぶ 暁台 我宿に一夜たのむぞ蚊喰鳥     一茶 ぬかるみに木影うつらふ蚊喰鳥 富田木歩 かはほりや晒布襦袢の肌ざはり 日野草城 *  蝙蝠/かはほり/蚊食鳥/家蝙蝠/大蝙蝠・・・ 蝙蝠は夏の夕暮れ、音もなく…

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【歳時記入門】俳句のテキスト 風の香も南に近し最上川 芭蕉 尻ふりて蛤ふむや南風 涼莵 島影に海緑すや南風 青木月斗 南風や化粧に洩れし耳の下 日野草城 *  南風(はえ)/みなみ/南吹く/南風(みなみかぜ) /南風(なんぷう)/正南風/大南風・・・ 夏の季節風。冬の北風がからからに乾いているのに対し この風は湿っていて暑苦しい。「みなみ」だけで風を 省略した呼び名は、もともとは漁師、船乗り言葉…

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6/30 【歳時記入門】俳句のテキスト 魚簗打に出る白栄の夜空かな 大須賀乙字 白南風の夕浪高うなりにけり 芥川龍之介 白南風や化粧にもれし耳の蔭 日野草城 白栄や月さ緑に夜半の雲 原石鼎 * 白南風/しろはえ・・・ 梅雨が終わり空が明るくなった頃、南東方面から吹いて くる夏の季節風。暗い梅雨空に吹く南風を黒南風という のに対して、梅雨明けの明るい空に吹く風を白南風という 【俳句】貴方の俳句ノー…

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6/28 【歳時記入門】俳句のテキスト 生涯の日の暮ながき夏椿 森澄雄 経文の一節のごと沙羅の雨 加藤三七子 死後はただそれだけでいい沙羅の花 保坂加津夫 沙羅の花捨身の落花惜しみなし 石田波郷 沙羅の花緑ひとすぢにじみけり 石田波郷 *  沙羅の花/しゃらのはな/夏椿/杪羅/姫沙羅・・・ ツバキ科の落葉高木。十メートルほどの丈になる。白い 花びらに黄色の蕊をもつ。咲いてもその日のうちに落ち て…