「哲学」の日記一覧

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「筑波哲学 31号」に寄せて

およそ一か年かけた小論を昨日まとめ上げ、筑波大学紀要向け投稿しました。表題は「対象認識と意味、表現の起源」です。 日本語は外国語に比べて語彙が豊富だと言われていますが、しかし、それでも森羅万象を表現するには足りません。また、言葉は、哲学では一般に本質と言われているところの、物の奥底に達することはできません。そもそも私たちは物からは現象しか与えられていないので物そのものを、敷衍するなら物事の真相…

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嫌われるということ

今年から、市内の禅寺で月二回ずつの座禅と写経に励んでいる。 寺には僧侶が三人、 住職の他に、前住職とそのご子息が努めている。 仏教は慈悲、和顔愛語(穏やかな顔で人に温かい言葉をかけること)と言うが、 最近になって、その一人からどうも嫌悪されていると感じるようになった。 寺は座禅、写経する人に、折重く、野菜、師走ともなれば餅と、施しを行うのだが、 私は、と言えば、 全体に掛かる御言葉…

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【京都・金閣・銀閣・・】この街を散歩して思うこと

私は空や海、太陽や月、星や雲、 人の手の届かないものが好きです。 霊的なものや目に見えない力、 そんなものはあるはずはないと思いながらも、 それにすがっている自分もいます。 答えがほしくて形而上学の書物を読みあさりました。 そこに述語があるが、どこかすとんと落ちない。 どんなに理屈を学んでも、 あそこが痛いの・・・ここが苦しいの・・、 毎日はそんな屁理屈の繰り返し。 いつまでも若々しくいき…

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自分の心をさぐってみると

哲学ぶって簡単なことを屁理屈で捻じ曲げる。 考えてみると私には向き合い正直に「ありがとう」って、言える相手が思いうかびません。 父や母、ご先祖様へ「ありがとう」は人としてあたり前。  職場でコーヒーをいれてもらって。コピーをしてもらって。家庭で毎日、奥さんが食事をつくってくれるたびに。子供が記念日のプレゼントをくれたときに。今の自分に思いつくのはこれくらい。社交辞令の「ありがとう」。 …

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「今」という考え方(佛教は「死」をどう考えるか)

※関心のある方だけお読みください。 「今でしょ!」というフレーズが、かつて一時期、もてはやされた。 今と言うとき、たとえそれが無意識ながらにでも念頭に浮かぶのは「死」である。今、すなわち、生と死とは最大の矛盾の関係においてあり、不条理である。それがゆえに、常人にとって死は受け入れ難いものとしてある。 「今」をどう捉えるか、佛教思想から読み解いてみたい。 目下、Eテレ、『こ…

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それにしても宗教とは

少し前の日記のなかで「それにしても宗教とは何だろう。」という自問自答の文章を書いた。 その時はとりあえず思いついたことを書き連ねたのだが、何故かその後も気になっていたので、柄にもなくあれこれ文献を漁っていた。 ところが宗教について調べていると、今度は哲学との関係や違いも気になってくる。 何だか迷路にハマったようで、部屋にこもりがちになるし、様々な資料が読みかけのままで机が散乱状態になってし…

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人生は価値あるものだ

「人生は価値のあるものだ」と信じよ。 その信念が、価値のある人生を実現してくれる。 <ウィリアム・ジェームズ> 「人の数だけ」価値観があります。 そして、 「人の数だけ」愛の形があり、 「人の数だけ」ライフスタイルがあります。 昭和の価値観は「みんな」 でしたが、現代は、 「人の数だけ」に変わりました。 だから大切なのが「自分軸」です。 これがとても大切になります。 「人が何と言おうと、 …

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エロく生きる

宇宙は物理的「存在(現象)」で構成されている。ただそれだけである。その宇宙に感傷的広がりを与えるのは、人間である。人間は、物理的存在に意味を与えることで「世界」を創造する。人間の「世界」は「存在」と「意味」で出来ている。それが感傷的である理由は、「意味」が、人間の脳の中にしか存在しないからである。脳の中の存在…それが存在といえるのか?その事実が切ない。しかも、「意味」は、人間しか構成し得…

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やり残す事の無いように生きる

人間は、人生を営み、人間社会を構成し、歴史を紡いでいる。それを言葉で意味づければ、それを哲学と言ったりする。そして、このような場で哲学を語る者は結構ウザったい。なぜなら、人は、生きることに一生懸命だから・・・ 人間は存在し生きている。哲学は人間の文化として成熟し、現在では脳の認知構造に言及し「認知論」「意味論」を構成している。「認知論」とは、人間は、現実それ自体を見ているのではなく、現実を自ら意…

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出会いの物語

「記号論」この概念を現代文学史から学んだ。この概念では、例えば、生きる意味は、ただ生きているだけなのに、神や社会貢献や愛などを勝手に絡めて個や社会が意味づけているだけという事になる。その虚無感からニヒリズムが生まれる。 そこで古い時代の文人達はよく自殺をした。 しかし、現代では、人生は言語で構成された物語であり、人間は様々なエピソードによって人生を意味深いもの(物語)にする営みであると捉えるよう…

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心を大切にしている人は読まないで

私たちが認知する世界、もしくは宇宙の実態はE=mc2乗と人類は突き止めた。宇宙は、物質とエネルギーが「存在」する時空と突き止めたのだ。 それ以外は、何もない。(物理学的にはダークマターとダークエネルギーと反物質かあるはずですが…) しかし、デカルトは当初、「人間は精神や魂が主体であり、身体はその物質的機械である」と言った。すなわち、宇宙には、「物質」に加えて、「精神」があるという二元論を提唱した…

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北島三郎の歌に学ぶ

北島三郎の歌「終着駅は始発駅」 という歌がありますが・・ 演歌が好きな方や北島三郎を知る方は、 ご存じでしょう(^^♪ この歌の三番の歌詞です。   函館止まりの 連絡船は 青森行きの 船になる   希望を捨てるな 生きてるかぎり   どこからだって 出直せる   終着駅は始発駅 人は誰しも、生きていれば、「行き詰まり」を 経験するものです。行き詰まれば、焦りや不安 が心を支配してしまいが…

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「なぜと問うのはなぜだろう」 吉田夏彦:著

小学生向けの哲学の入門書らしい。 小学生が読むのか?と疑問もあるが、読みやすくわかりやすく、よく整理されてると思う。 読みやすいけど、内容が軽いわけじゃない。 大体、哲学の事を書いて、内容が軽くなるわけがない。 存在論とか唯物論とか論理学とか数学とか物理学とか、 話題になりそうなことはみんな出てくる。 この本で初めて知ったのは「倫理学は哲学の根」と言われてるそう。 最後の方に、  「哲学は一…

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エロスの向う側

お気に入りの本屋がある。 そこに行くと、いつも、強い「知」の洗礼を受ける。 店主の話も面白い。 構造主義的で哲学的である。 生きる意味。エロいことの意味をコアなエクリチュールで意味化している。 とにかく、いろんな意味で立ち読みが止まらなくなる。 脳が、エロくなる。