山寺は踏み場所もなく紅葉散る(桧倉高源寺) 細見綾子 散るのみの紅葉となりぬ嵐山 日野草城 境内は紅葉明りに染められて アロマ 散紅葉はなやかなれば苔寒し 日野草城 散紅葉鎌倉ギャルも織りまぜて 百合山羽公 樂土以後 日一日 天の空きゆく 散紅葉 伊丹三樹彦 畑広し蔵立つあたり散る紅葉 河東碧梧桐 はやばやとともる街燈冬めける 富田直治 冬兆…
うづくまるものの姿に冬囲 村越化石 冬囲ひ済みオーロラの見ゆる街 渡辺美代 連山といふ冬囲まだ解かず 鷹羽狩行 海女小屋の傍の菜畑冬囲 小旙普士男 冬囲解く稜線のあかるき日 宮坂恒子 夢多く子の冬服の金ボタン 宮下本平 冬服の白洲次郎の伊達ごのみ 座古稔子 石蕗咲いて岬の先の遊歩道 高垣和惠 花石蕗や黄いろ溢れし少年期 鈴鹿仁…
白樺林劇の如くに小雪舞ふ 岡田日郎 小雪舞ふ扇供養の篝かな 山本義久 小雪舞う旧国鉄の名残り駅 堀川和子 小雪舞ふ石標「女人高野山」 川崎展宏 冬 日当りて小雪ちらつく逍遥忌 水野征男 小雪舞う野道を一人急ぎけり アロマ 立ち睡る馬のまはりを舞ふ小雪 有馬朗人 知命 甘酒に 小雪散り込む 椿の宮 伊丹三樹彦 君は酒家へわれは駅へと夜の小雪 …
葱畑松虫駅といふがあり 中路間時子 やはらかき葱が自慢の父なりし 尾崎九一 河豚刺しに極細葱を包みつつ アロマ 下仁田の太葱溢れ夕市場 田中藤穂 朝採りの胡葱を買ふ浜の市 森重夫 葱育つ金沢文庫の日溜りに 神蔵器 刻み葱たつぷり加へ信濃蕎麦 田渕匡子 下仁田の葱と出されてクリスマス 中村房枝 ラーメンに九条葱をば盛り上げて ア…
ラジオのあと厨いよいよ寒冷に 山口誓子 寒冷の桂林像流れゆきし 金子兜太 寒冷の静寂に汽笛鳴り響く アロマ 飛竜頭と煮る向寒の干蕨 草間時彦 櫻山 厳冬の真白きをとどけ洗濯屋 能村登四郎 落暉燃えて厳冬の海ほてりけり 渡邊水巴 富士 臘月や錦市場に鯛の粗 岡井省二 大日 石蹴れば暖冬築地本願寺 永易至文 暖冬の線路が通る家の裏 橋閒石 朱明…