さんが書いた連載読書感想文の日記一覧

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29、『これでいいのか山梨県』(鈴木士郎編著)はリニア新幹線の開業がチャンスだと

『これでいいのか山梨県 地域批評シリーズ49』  鈴木士郎編著 マイクロマガジン社  2020年8月14日発行 ーこの本は、セブンイレブンで見つけ、題名が面白そうだったので買って読んだ。著者は東京の西部の出身の方で、山梨には縁があると言う。どうも、かの有名な『キャンユースピーク甲州弁』も一緒に編集していた山梨県をエリアにしていた月刊のタウン誌に関係したこともあるようである。色んな面白い興味のある…

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25、『武士の家計簿』(磯田道史著)は江戸、明治維新、明治と生きた武士の家族の確かな生き様描く

『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』磯田道史著 新潮新書 2003年4月10日発行 ーこれが、磯田道史さんの著書の3冊目に読了した本です。もう1冊、『日本人の叡智』という本も購入してあります。それにしても、どの著書も読み応えがあります。そして、この『武士の家計簿』は、磯田さんの初期の代表作の著書だと思います。歴史研究者の見事な成果ど作品だと思います。 ー「金沢藩士猪山家文書」  武士の家…

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23、『素顔の西郷隆盛』(磯田道史著)で西郷さんの人間像が分かった気がした

『素顔の西郷隆盛』 磯田道史著 新潮新書 2018年3月30日発行 ー磯田さんの著書を読みのは、2冊目、西郷さんの素顔が分かったような気がした。西郷なくして維新史は語れず、異端児・西郷が建てた国家で今なお私たちは暮らしていると。今から150年前、西郷という男の強烈な個性をもってしなければ、新しい日本は生まれませんでした、と。新国家を作るために、徹底した破壊を断行した、と磯田さんは指摘してくれた。…

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17、『推し、燃ゆ』(宇佐見りん作)はおっかけ少女の生きざま記す

「推し、燃ゆ」 宇佐見りん作 第164回芥川賞受賞作 「文芸春秋」令和3年3月1日発行所収 ー文芸春秋3月号発売日に買って、この小説だけ読んだ。あまり期待はしてなくて、早く目を通すことだけ考えて読んだ。自分の好きな芸能人を応援する女子高校生の生きざまを描いているが、とにかく、命をかけて行動しているところが、人の生きざまを描く小説としては、しっかり書いていると思った。娘が、同じように、ある男の芸能…

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10、『試練が人を磨く』(桑田真澄著)は、目標を立て、それに向かって努力する生き方を貫いた、と

『試練が人を磨く 桑田真澄という生き方』 桑田真澄著 扶桑社文庫 2007年9月28日発行 ー最近のスポーツニュースで、巨人軍のエースだった桑田真澄が、巨人軍のピッチングコーチになったと言っていた。巨人の原辰徳監督の本も、桑田の親友である、清原選手の本も読んだことがある。今は全く、プロ野球の試合をテレビで観ないが、桑田が活躍していた頃は、僕は、巨人ファンでよく観ていた。今回、この、桑田の初めて出…

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6、『鍵』(谷崎潤一郎著)は高齢夫婦の究極の性生活描く

『鍵』 谷崎潤一郎著 新潮文庫  昭和43年10月25日発行 ー谷崎潤一郎の小説は、「細雪」と「痴人の愛」は読んだが、「鍵」と「瘋癲老人日記」は読んでなかった。それで、「鍵」だけは読んだが、主人公の夫の方の日記は、カタカナで書かれていて、最初は読んでいたが、読み辛いので、後は、妻のひらがなで書かれていた方だけを読んだ。それでも、主人公夫婦の、性生活の実態はよく分かった。谷崎は、渡辺淳一よりも、先…

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3、『30歳で生まれ変わる本ー本当の大人になるために』(安井かずみ著)大人の女とは優しく、美しい喜びと哀しみを識って、人生を味わう女のことであると

『30歳で生まれ変わる本ー本当の大人になるために』 安井かずみ著 PHP文庫 1995年8月15日発行 ー安井かずみ、という作詞家は、なかにし礼著『夜の歌』でなかにしさんの女友達として、出て来たので、安井かずみという作詞家はどんな女性だろうと思い、偶然、安井かずみさんの本を、ブックオフで見つけたので読んでみた。1994年3月逝去とあり、「わたしの城下町」の作詞者だとあった。そして、その描かれた女…

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140、『孤高の人(下)』(2)加藤は、単独行でない山行で遭難死せし

ー湯俣まで行くには、5日間ろくろく食べていない彼の涸れ果てたエネルギーの総てを上手に使わなければいけない。  両足の凍傷はさらに上部に浸蝕していったもののように思われた。動かない足は歯がゆいばかりだった。  新納友明が話しかけて来た。  そこには新納友明のかわりに、雪をかぶった木の根っ子があった。  10数年前に病死した新納友明の幻視を見た。 「おれは幻視幻聴なぞには負けないぞ。単独行できたえ上…

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140、『孤高の人(下)』(2)加藤は、単独行でない山行で遭難死せし

ー湯俣まで行くには、5日間ろくろく食べていない彼の涸れ果てたエネルギーの総てを上手に使わなければいけない。  両足の凍傷はさらに上部に浸蝕していったもののように思われた。動かない足は歯がゆいばかりだった。  新納友明が話しかけて来た。  そこには新納友明のかわりに、雪をかぶった木の根っ子があった。  10数年前に病死した新納友明の幻視を見た。 「おれは幻視幻聴なぞには負けないぞ。単独行できたえ上…

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138、『いまをどう生きるのか 現代に生かすブッダの智慧』(五木寛之・松原泰道著)を読む

『いまをどう生きるのか 現代に生かすブッダの智慧』 五木寛之・松原泰道著 致知出版社  平成20年12月25日発行 ー人間同士が向き合って、上下でなく平座で語りあう。そのことから仏教ははじまるのだ。  人間にとって最も大事なことを、「易しく」「深く」「広く」語った3人の仕事は、日本人の心に流れ入る。  私は晩成の仕事を尊いと思う。  「易しく」「深く」「広く」という3つのお仕事をなさったお3人を…

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131、『いのち』(瀬戸内寂聴著)は著者自らの95歳の友との生きざま描く

『いのち』 瀬戸内寂聴著 講談社  2017年12月1日発行 ー瀬戸内寂聴は、僕は、以前に、『女徳』を読んで感動し、「朝日新聞」掲載の、月に1回の寂聴のコラムを読んで、現在、98歳で大いに自らの思い、考えを主張しているのを確認している。だから、以前はあまり読まなかった寂聴の本も、興味を持ってブックオフで探していたら、この本を見つけた。これも、面白く興味を覚えた。河野多恵子、大庭みな子は、親しい友…