梅花8態(大宮公園)

シラノ・ド・ベルジュラック

浮気メジロは梅をばじらし わざととなりの桃に鳴く

晴天であろうが曇天であろうが関係ない。今は懸命に蜜をメジロは吸っている。
古来、梅といえば鶯が通り相場。
今では言う人も少ないだろうが「あの二人は梅と鶯だね」とか手紙の時候の挨拶に「梅鶯の候」などと書く人もいる。そう言えば昔の浪曲師に春日井梅鶯なんて人も。
花札にも2月札に梅に鶯が描かれている。要するに梅と鶯は相性がいいと言われてきた。ところが鶯は大変臆病な鳥でめったに人前には出てこないし、花の蜜もそう好きではないという。声は聞こえる。どうも梅と鶯は詩歌、絵画の世界のことのようだ。古くは飛鳥時代の漢詩集「懐風藻」に葛野王の詩に「素梅開素靨 嬌鶯弄嬌声」とある。
となると我々が見る梅との相性はどうもメジロの方がいいようだ。
戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の主人公が鶯で、美青年クリスチャンがメジロ。ヒロイン、ロクサーヌが梅に譬えると・・・
都都逸は「浮気ウグイス・・・」が元唄。クリスチャンは美青年だがあまり頭がよくない。もしかしたら桃子ちゃんにちょっかいを。では物語がおかしくなってしまいそうだ。

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