西光寺(小川町)のカタクリと桜を訪れて

カタクリは少彦名命

春霞 紅紫の衣纏いたる 少彦名に似たる片栗(自作)

古事記、書紀にも登場する体の小さい少彦名命。高天原造化三神の一人、神産巣日神の子で大国主命の国造りの手伝いに海の向こうにある常世の国からガガイモの実に乗ってやってくる。大国主命は「君は誰?」と訊いても答えない。困った大国主はいろいろな神に訊いてやっとわかった。ガガイモは10㎝ほどの実だが見たことはない。少彦名命は国造りの途中で帰ってしまうが私が好きな場面は「あなたどなた?」と訊いても答えないところだ。きっとちょっと下を向いて口元に僅かないたずらっぽい笑みを浮かべている。着ているのは「鵝(ヒムシ)の皮とある。「鵝」は今ではガチョウを意味するがここでは「蛾(ガ)」だそうだ。蛾は5,6000種類と大変多い。中でも與邦国蚕(ヨナクニサン)は体長10~15cmで世界最大級だそうだが紫の羽を持っている。もしかしたらこの蛾かもと考えてみた。何しろ海のかなたから来たのだから。国造りの手伝いは放り投げて帰ってしまった。博学多才の少名彦、全国を飛び回って薬の処方、酒造り、呪いなどを教えて行っている。
カタクリの花をしゃがんでみていると俯いておとなしそうだが一筋縄ではいかないように思えてくる。少彦名命のように。

※日記「小川町散歩」を合わせ投稿しました。お時間がありましたらご覧ください。
https://smcb.jp/diaries/9264748

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