花菖蒲 余滴八話(オフ会・堀切菖蒲園)

児化粧(ちごけしょう)

「花まつり稚児の器量は家ゆづり」(柳澤みはら)

広辞苑によると「ちご」は稚児そして児とあり、命名者はきっとそれをわかっていて「児化粧」と札に書き「ちごけしょう」とふりがなをふったのだろう。
もともとは嬰児、幼児を指していた。「ちのみご」が縮んだからという。その後大寺院で剃髪しない修行僧が現れ、それらを稚児と呼ぶようになった。彼らは髪を結い平安貴族女性と同じような化粧をし女装の例も。
今でも祭りあるは会式などで稚児行列が行われ、幼い子が鼻筋を白く塗り、唇に紅をそして眼尻にも。それぞれが神妙な顔をしている。足元が運動靴なんていうのも微笑ましい。
義経も弁慶も稚児だったという。義経は鞍馬寺で牛若丸、弁慶は比叡山で鬼若丸。昔の絵物語の五条大橋での牛若丸の姿は確かに美しい稚児スタイルだった。弁慶の稚児は想像できない。名は体を表す。富士フィルムのCMで「美しい人はもっと美しく、そうでない人はそれなりに・・・」弁慶が稚児であったときを想像するとこのCMを思い出し、思わず笑ってしまった、この句もまた、さてさて柳澤みはるはどちらを詠ったのだろうか、それなりに、かな。

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