夏華大笑(久喜・正法院の花)

花魁草(天狗草)

花魁草とは流連(いつづけ)の如く会ふ 後藤比奈夫

訪れたお寺の坊守さんのような女性が「この花を鼻の上に乗せて天狗だと言って遊んでいて、天狗草と子供たちは呼んでますよ。本当の名前はしりませんけど」
柳田国男が聞いたらきっと天狗草の名が膾炙したかもしれない。
大人が名をつけるとぐっと色っぽくなる。華やかに咲く姿が花魁の髪型に似ているところからだと。
公私に、というより大方「私」で大変面倒を見てもらった先輩がいた。その先輩が言う。子曰くである。「なあけんけん、遅くに生まれて残念だったな。吉原がなくなっちゃてな。もてたね、大体1週間から10日ぐらい流連さ。そこから会社へご出勤。美人だったね。けんけんに合わせたかったな。ああ市川房江が憎らしい」もう50年ほど前になる。
この花が天狗草だったら牛若丸を思い出す程度で済んでいただろう。或いはこの句に出会わなければ・・・

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