夏華大笑(久喜・正法院の花)

夾竹桃

夏に咲く花 夾竹桃 戦争終えたその日から
母と子どものおもいをこめて ヒロシマの野にもえている
空に太陽が輝くかぎり つげよう世界に 原爆反対を
(「夾竹桃のうた」作詞藤本 洋 作曲 大西 進)

8月6日朝8時、NHKのテレビを点けた。77回目の「平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)」 「黙祷!のアナウンスに首を垂れ手を合わせた。
広島市長の平和宣言、岸田首相、国連グテーレス事務総長の挨拶。それぞれが核廃絶への言葉を口にしている。私にとって印象的だったのが小学生二人が「平和の誓い」の中で
「本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと。
私たちは、犠牲になられた方々を決して忘れてはいけないのです。」
と言い切っていた。その通りだと思う。
子供たちのメッセージは聴きながら非戦論を紀元前に唱えた墨子を思い出す。そして6年前オバマ大統領(当時)と抱き合い、「(原爆投下は)アメリカではなく、人類の過ちであった。未来に向かって頑張りましょう。プラハ演説(2009年)でノーベル平和賞を取ったのだから、遊んどったらダメですよ。未来志向で、核兵器のない世界を作り上げましょう」
と直言した昨年亡くなられた坪井直さんが最後まで言い続けた「ネバーギブアップ!」を私たちが引き継いでいかなければならない。
原爆が投下された後、75年は草木も生えないと言われた中でいち早く花を咲かせたのが夾竹桃だった。広島市は夾竹桃を市の花に制定した。
花弁がスクリューのようにねじれる夾竹桃は劫火の中でもしかしたら身を捩るように亡くなられた方たちを、そして今こうして生きている私が核廃絶を身を捩るように思うこと、訴える姿をあの白い嫋やかなしかし勁さの中に見る。
「忘れてはいけないのです。ネバーギブアップ!」と。

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