神輿十夜 美女一夜(神田祭・三社祭)

塔炎上(三社祭)

「朱丹をまじへし二階の楼、九輪そらにかかやきし二基の塔、たちまちに煙となるこそかなしけれ」(平家物語 巻5)

写真を撮るのに宵宮の神輿と思うと全く自信がない。何しろ歳をとるとともにシャッターを押すと縦にぶれる。更にシャッタースピードの関係で横ブレが起こる。祭りの中で三脚を使うことはできない。要するにいつも失敗をしてきたのだ。
今回珍しく縦ブレが僅かだった。最近の神輿は宵宮のために灯りを付けている。灯りではないが日中は神輿の頂点の大鳥を宵宮には宝珠に取り換えるなんてことをする町内もある。
できた写真を見ると塔が炎上したように見えた。
思いが一気に平家物語、澤田瞳子の龍華記へと。序に幸田露伴の「五重塔」のモデルとなった江戸四塔の1塔、谷中・天王寺の五重塔が心中放火事件で焼失したことにも。
戦災で焼失したここ五重塔が再建され、これから残り続けてほしいと思うばかり。

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