神輿十夜 美女一夜(神田祭・三社祭)

宝蔵門(三社祭)

おもふさまふりてあがりし祭かな(久保田万太郎)

浅草界隈をこよなく愛する文人は多いが、久保田万太郎もその一人。
浅草生まれ、浅草育ち。浅草を中心として下町情緒あふれる小説、戯曲を多く書いている。万太郎は祭りは好きだったようだ。
歌舞伎の演目に「三社祭」がある。
兄弟2人の漁師が宮戸川(隅田川の一部)を舞台に「洩れぬ誓いや 網の目に 今日の獲物も信心の おかげお礼に朝参り・・・」で始まる清元の演奏に合わせて激しくコミカルに踊る。漁師兄弟は浅草神社の祭神になっている 檜前浜成、竹成。
久保田万太郎が「「三社祭」のやうなものは面白いのですが、あゝ云ふ風に、動きどほしに動いてゐるものは骨が折れます。そしてあれは、善玉悪玉両方とも、同じ程度に踊れるものでやらないと、面白くありません。」と「七代目坂東三津五郎」の中で書いている。宝蔵門を潜る神輿も「動きどうしに動いて おもうさまふりてあがりし」なのだ。

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