紫陽花七彩(妻沼・能護寺)

琳派

紫陽花やきのふの誠けふの嘘(正岡子規)

描いた画に詩なり文章なりを書くのを「賛」或いは「讃」という。一般的には別の人に賛を書いてもらうがそれも自分で書く。自画自賛(讃)なのだ。それが転じて自分で自分を褒める意味になった。
写真を見て「琳派だ!」と思った。
本阿弥光悦、俵屋宗達によって創始されその後、尾形光琳、乾山兄弟により発展し酒井抱一などに引き継がれていったのが琳派。
画ばかりではなく書、陶芸、漆芸、茶道にも関わる総合芸術集団で、面白いのは「派」といえば狩野派のように創始者から代々、その一族に受け継がれている。ここで学んだ、この先生に師事して認めてもらうなどルールがあるのが普通だが、「琳派」にはこれがない。尊敬する人に直接学ぶことは出来ないが、その人を模範として学ぶことを「私淑」と言うそうだ。琳派は私淑によって発展したという。背景に金箔、銀箔を用い、独創的な配置或いはたらし込みといった技法を用いるなど豊かなデザイン性・装飾性が特徴と言われている。
金箔には見えない、と言うなかれ。金も純金もあれば9金もある。見たときはそう思ったのだ。「 七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず 」と孔子先生。七十を10近く過ぎれば矩の壁も低くなり無いに等しくなっている。厚顔無恥の誹りを受けようとも「琳派だ!」と。
それでもしばらく経つと「お恥ずかしい!」となった。この写真の賛は子規にお願いしよう。
「紫陽花やきのふの誠けふの嘘」と・・・

※日記「熊谷・妻沼散歩」を投稿しました。お時間があっ 
 たらお付き合いください
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