紫陽花七彩(妻沼・能護寺)

紫陽花乱咲

濃あじさい 旅の花火を 人妻と (角川春樹)

角川春樹という人は破天荒な人生を私のような凡愚から見れば生き方をしているとしか言いようがない。昭和17年生まれだから私より2歳上になる。
大学時代にはボクシングに熱中、渋谷のハチ公前で全学連を相手に大立ち回りをしている。
卒業後、出版社に勤めながら、夜は新宿3丁目のスナックを経営し、自らバーテンを勤めている。父親が創業した角川書店を継ぎ、映画界にも進出、横溝正史に光を当て「犬神家の一族」「悪魔が来りて笛を吹く」などでヒット作品を世に送り出した。
1993年コカイン密輸事件に関わり実刑判決を角川書店の経営から身を引いた。
経営の傍ら、両親の影響もあり俳句に傾倒、句集「信長の首」などを発表、批判も多くあったらしいが中上健次、山本健吉或いは吉本隆明らが激賞している。
私が好きな句がある。『 あかあかと あかあかあかと まんじゆさげ 』
離婚5回、結婚6回。ある占い師から「角川さんは頭が良すぎる。だから色々先を見過ぎてしまう。もっと遊ばなければ大きくなれない」言われ、本人の言葉を借りれば「軟派の修行」女性遍歴を重ねたそうだ。
この句もそのような中で詠んだのだろう。「濃あじさい」がいかにも彼らしくていい。
今は自身で群馬県妻恋村に創建した神社「明日香宮」の宮司として40歳年下の奥さんと元気に活躍しているそうだ。

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