紫陽花七彩(妻沼・能護寺)

白紫陽花

君が観る眸に映る紫陽花はただただ白く影もない毬(自作)

立原正秋という作家がいた。若い頃は耽読した作家のひとりだった。
作家がインタビューだったか随筆の中だったかで言っていた。
「わたしの作品のヒロインは私が追い求める理想の女性であって決して実在することはありません」
仕事でロスアンゼルスに行くことになった。何が楽しみと言ったら「グレスケリー、オードリー・ヘプバーンそしてマリリンモンローみたいな美女がたくさんいるのがアメリカだ」と。
その錯覚に気が付いたのは帰りの飛行機の中。
紫陽花の近くにはデイサービスで訪れた元美女の人たち数人、車椅子に乗る人、杖を突いている人或いは職員の腕に掴まる人そして賑やかなのだ。
白紫陽花が風に揺れながら幸若舞を・・・
「人間(じんかん)百年、化天(けてん)の内をくらぶれば、夢幻(ゆめまぼろし)のごとくなり」

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