紫陽花七彩(妻沼・能護寺)

味狭藍

言問はぬ木すら味狭藍諸弟らが練の村戸にあざむかえけり(大伴家持)

万葉集にはアジサイの歌は2種しかない。
更に平安時代にはほとんど詠われれない。古今集にも新古今にもない。紫式部も清少納言も一顧だにしていない。当時のアジサイはガクアジサイ。愛でる価値もないほどだったのだろうか。
大伴家持が後の妻になる坂上大嬢に出張だか転勤だかで恭仁京に行っている折に贈った歌6首が万葉集に載っておりそのうちの一首。
「黙っている木でさえアジサイの心変わりするものなんですね。私はあなたの男の気持ちを掌で弄ぶような手管に騙されてしまいました」
大嬢この歌にカチンときたのか二人の間は途絶。
そこはプレイボーイの家持、その間にも紀郎女などにもちょっかいを出している。
家持と大嬢はそれでも4,5年後には縒りを戻しているのだからアジサイこそいい迷惑だが、
今でもアジサイの花ことばには「冷淡、無情、浮気」なんていうのがあるが昔も変わらなかったのかもしれない。

※日記「熊谷・妻沼散歩」を投稿しました。お時間があったらお付き合いください
 https://smcb.jp/diaries/9089171

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