「吟行」の日記一覧

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4月の俳句帳(108)令和四年4月30日

1)きな臭い穀物畠霾(つちふ)れり 2)清明の神より御加護戦火の地 3)木洩れ日を浴びし山門春絵の具 4)川瀬音岩場に残し鳥帰る 5)笙(しょう)の笛光が音へ春雅楽 6)臍(ほぞ)先をはめる槌(つち)音建てる春 7)到来の煎茶白磁で芳(かお)る春 8)蹲踞(つくばい)へ流るる筧(かけい)春調べ 9)ベンチ下伸び放題に草青む 10)葉裏より輝(ひか)る紋白庭を舞ふ 11)黄(き…

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3月の俳句帳(107)令和四年3月31日

1)斑鳩(いかるが)の五重の水煙(すいえん)春浅し 2)春茶席透ける青磁の薄明かり 3)宵並木首を竦(すく)める余寒なほ 4)朝読経合わせ鶯法法華経 5)春泥を踏みて並木の雨散歩 6)江戸の粋(いき)帯に根付けの春狐 7)ちらちらと川面に微光風光る 8)蕗(ふき)味噌のほろ苦味や遅朝餉(げ) 9)花筒に紅白椿床柱 10)赤根染め濃く染め出して春茜(あかね) 11)着こなしの所…

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2月の俳句帳(106)令和四年2月28日

1)藍染めや春も溶け出る水浅葱 2)鳥影の蠢(うごめ)く斑(はだら)春障子 3)春立ちぬ御手前所作(しょさ)の佇(たたず)まい 4)躙(にじ)り口一期一会の春茶席 5)うすらひ(薄ら氷)の季語に銘(めい)付す京和菓子 6)輝る稚魚飛び込む春の川翡翠 7)伊吹山寒風一聲吹く川辺 8)蠟涙を流し燭台冬終わる 9)掛け軸の薄墨春の仄(ほの)灯り 10)春燈を灯す里山谷の默(もだ) …

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記録当番に記録ノートを渡すのを忘れてしまい

結局今月の句会記録も私が書く羽目になったので、日記代わりにこちらにも掲示しておきます。 令和四年二月十九日 (土曜日)  慈眼寺 涅槃会 吟行   歴史とスポーツふれあいセンター にて 句会      出席者 平井芙美子、奥村由美子、日野久子、          藤川喜子、清水博義、蔵田ひろし、          芳名録上段から記載順、          本文とも敬称略  直前になって、理…

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2022年の初句会の吟行の記録

令和四年一月十五日(土曜日)  木津市 相楽神社 御田祭 吟行   「かんな」にて昼食・句会 出席者  吉田眞知子、有馬映子、平井芙美子、上藤おさむ、      清水博義、日野久子、藤川喜子、蔵田ひろし、      以上八名、清記用紙記載降順、本文とも敬称略  本日は丁度小正月の日であり、大学入学共通テストの初日ということもあって、多くの受験生の気持ちを代弁するかのような、どんよりした日差で…

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例によって記録当番が欠席で私が記録することになったので

今年最後の終い句座の記録を日記代わりに掲示しておきます。 令和三年十二月十八日(土曜日)  一言寺 終い観音 吟行   各自昼食後    アスニー山科 にて句会 出席者  有馬映子、時田勇二、吉田眞知子、      清水博義、蔵田ひろし、      以上五名出席、順不同      本文ともに敬称略  前々日ショックな連絡があった。藤川さんほか「南風」さんグループが三人とも結社の所用か何かで…

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とある反省の弁

ここのところ日記欄の無沙汰続きなので、3ケ月ほどまえに所属結社から依頼を受けて書いた雑文を、日記代わりに掲示しておきます。  のっけから私事で恐縮であるが、昨年の二〇二〇年をもって会社を定年退職し、それに伴い職場句会は廃部となった。  定年退職といっても、テレビドラマ等で見るような送別会が催され、腕に抱えるほどの花束を酔っぱらって、電車で持て余すような華やかなこともなく、単純に翌日から契約…

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8月の俳句帳(100)令和三年8月31日

1)方丈(ほうじょう)へ筧(かけい)水音秋の風 2)野ざらしに色無き風の暮れる寺 3)山彦の帰る杣道(そまみち)秋立ちぬ 4)枝折り戸の唸る風音野分床(のわきどこ) 5)晩鶯(ばんおう)の声森に失せ百舌鳥(もず)の啼(な)く 6)恋扇(こいおうぎ)折れ舞ふ卍(まんじ)秋蝶二(に) 7)しおからと門扉(もんぴ)で出会いポスト行く 8)木耳(きくらげ)を青菜と刻む昼饂飩(うどん) 9…

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7月の俳句帳(99)令和三年7月30日

1)土石流襲いし熱海虎が雨 2)伝統の藍染め晒(さら)す梅雨晴れ間 3)恙(つうが)なく二回目接種梅雨空ける 4)入相(いりあい)の鐘の音(ね)届く釣鐘草 5)エンジンを全開にして蝉時雨 6)今年又出会ふ灯心(とうしん)遊歩川 7)雨安居(うあんご)や接心(せっしん)終わりて粥(しゅく)を待つ 8)山緑(やまみどり)朱(あか)屋根一軒鶏(とり)の啼く 9)鷺草の飛び立つ庭や古刹(…

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6月の俳句帳(98)令和三年6月30日

1)渓流のせせらぎ岩魚(いわな)潜む淵(ふち) 2)動くかに見へし青鷺北斎画 3)香道を聞く爽やかさ梅雨(つゆ)茶室 4)梅雨庭や実梅降り止み梅しごと 5)雨烟(けぶ)る紫陽花(あじさい)淡く藍の毬(まり) 6)一山(いちざん)の満天の星螢の火 7)巣ごもりの自粛疲れや焼酎瓶 8)躙(にじ)る前 蹲(つくばい)の音涼し音 9)黒ジョカの前割酌みて柿若葉 10)梅しごと終えて安ら…

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5月の俳句帳(97)令和三年5月31日

コロナ禍の日本 コロナ禍の中で二度目の暑い夏を迎えようとしています。 連日コロナの感染者数がテレビで放映され、東京、大阪、愛知等緊急事態宣言が出される中、日本で、東京でオリンピック・パラリンピックが安心安全に果たして行なえるのでしょうか。 以下は俳句帳の作品解説で有る。 1)「鳥飼」米焼酎の720ミリリットルボトル。宮内庁御用達で吟香とも言える香り高い高価格のプレミアム焼酎。  2)龍安寺に有る…

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4月の俳句帳(96)令和三年4月30日

1)清明の光り溢るる千枚田 2)清明に川の明かりや野の眩(まぶ)し 3)壮大な一目(ひとめ)千本花吉野 4)花溜まり川面浮かべて染井散る 5)ぱたぱたと猫の身震い花の冷へ 6)目に映る棚田の縁(へり)に躑躅(つつじ)垣 7)雨後の宵ぼんやり点る花躑躅 8)砂糖晒(さら)し丹精(たんせい)の菓子風光る 9)天守より黄金(きん)鯱降ろし風薫る 10)茶室着き蝶舞ふ庭の躙(にじり)口…

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3月の俳句帳(95)令和三年3月31日

季語 連翹・連翹忌 連翹の黄色の花は庭や野原や川岸で見ることが出来ますが 誰でも知っているという花では無い。可憐で素朴な野の花で有る。高村光太郎がアトリエの庭に咲く連翹(れんぎょう)の花を大変愛し、彼の告別式で棺桶の上に連翹の一枝が置かれていた事に由来する。黄色の可憐な花に智恵子のイメージを重ねて居たのかも知れない。 安達太良の空の真青や連翹忌 山田春生 連翹忌ほんとの青い空何処 長崎桂子 …