1)斑鳩(いかるが)の五重の水煙(すいえん)春浅し 2)春茶席透ける青磁の薄明かり 3)宵並木首を竦(すく)める余寒なほ 4)朝読経合わせ鶯法法華経 5)春泥を踏みて並木の雨散歩 6)江戸の粋(いき)帯に根付けの春狐 7)ちらちらと川面に微光風光る 8)蕗(ふき)味噌のほろ苦味や遅朝餉(げ) 9)花筒に紅白椿床柱 10)赤根染め濃く染め出して春茜(あかね) 11)着こなしの所…
ここのところ日記欄の無沙汰続きなので、3ケ月ほどまえに所属結社から依頼を受けて書いた雑文を、日記代わりに掲示しておきます。 のっけから私事で恐縮であるが、昨年の二〇二〇年をもって会社を定年退職し、それに伴い職場句会は廃部となった。 定年退職といっても、テレビドラマ等で見るような送別会が催され、腕に抱えるほどの花束を酔っぱらって、電車で持て余すような華やかなこともなく、単純に翌日から契約…