「帚木蓬生」の日記一覧

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著者別インデックス:国内(帚木蓬生)

1.日御子 (2012.06)   https://smcb.jp/diaries/5199070 2.悲素 (2015.07)   https://smcb.jp/diaries/6892359 3.受難 (2016.06)   https://smcb.jp/diaries/7213945 4.沙林-偽りの王国- (2021.03)   https://smcb.jp/diar…

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平成最悪の事件

 帚木蓬生の「沙林-偽りの王国-」を読了した。著者は現役の医者で、福岡県で心療内科を開業する傍ら、小説の執筆を続けている。本書は、麻原彰晃が率いる宗教団体のオウム真理教が起こした一連の事件の内、1994年(平成6年)6月27日深夜から翌早朝にかけて、長野県松本市で発生した松本サリン事件、および、1995年(平成7年)3月20日午前8時前後に東京都で発生した地下鉄サリン事件を中心に、事件の捜査およ…

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答えの出ない事態に耐える力”ネガティブ・ケイパビリティ”

「水神」や「国銅」の小説を読んで注目した、帚木蓬生という医師でもあり作家でもある方の著書の一つ。 ”ネガティブ・ケイパビリティ”という本を読みました。 なにせ、巣篭りの日々ですから、読書ばかり。 いまこそ、この”ネガティブ・ケイパビリティ”が必要ではないかと強く思った次第です。 この”ネガティブ・ケイパビリティ”の反対が、”ポジティブ・ケイパビリティ”ですが、あらゆることに、解答を求める考え…

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38、「蛍の航跡 軍医たちの黙示録」(帚木蓬生著)は苦労して読んだ

「蛍の航跡 軍医たちの黙示録」 帚木蓬生著 新潮社 2011年11月20日発行 ー「そんなことをする軍司令部であれば、最初からこんな作戦は考えつかんよ。初めから終わりまで机上の作戦だったんだ」 「実際に作戦によって動くのは人間だ。その将兵の命を思いやれんような司令官は失格だ」 「いくら強弁したところで、何万という将兵を餓死、病死させた点は明々白々だからな」  私は無言で頷いた。この一点だけは、佐…

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21、「悲素(下)」(帚木蓬生著)はカレー砒素混入事件の全貌描く

「悲素下」帚木蓬生著 新潮文庫 平成30年2月1日発行 ー「土村から説明します」 「元会社社長です」 小林夫婦と密接な関係のある男だ。  「土村の妻は保険の外交員をしていて、6年前に小林真由美と知り合っています」  もともと土村はギャンブル好きで、その辺も小林に似ています。  尻に火がついてどうにもならなくなった男の姿が目に浮かぶ。こうなるともはや、元に戻るのは難しい。行き着く所まで行くしかない…

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小説「千日紅」の恋

作者は「帚木蓬生」さん ははきぎほうせい この作家は精神科医でもあり小説を発表しています。 沢山の作品を書かれていますが、ほとんどが医療ミステリーでしたが、この小説は、違いました。 主人公がバツ2の介護施設でパートしながら父親がむかし建てた古いアパートの管理をしています。 父親が亡くなったと、母親も高齢になったので、娘の時子さんが管理をやっています。 今では珍しい月末に家賃の集金に行き…

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19、「悲素」(上)(帚木蓬生著)はヒ素カレー事件描く

「悲素上」 帚木蓬生著 新潮文庫  平成30年2月1日発行 ー「しかし砒素だと分かっても、これからの治療が大変ですね」 「治療法はないに等しいですからね。自然排泄を待つしかないです」  一度に4社とは非常識ではある。2年前といえば、和泉氏に意識消失が始まった時期だ。 「あの家の主婦小林真由美は8年前にN生命の外交員になっているので、その辺は詳しいのでしょう」  もうひとつ、保険に約款上、社員や遺…

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小説「白い夏の墓標」を読んで

作家「帚木蓬生」ははきぎ ほうせい氏の長編小説 パリで開かれた「肝炎ウイルス国際会議」に出席した佐伯 教授は、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受けた。 かって、仙台で机を並べ、その後ニアメリカ留学中に事故死した黒田が実はフランスで自殺したことを告げられる。 細菌学者の死の謎は。真夏のパリから残雪のピレネーへ、そして20数年前の仙台へとよみがえる。 抒情と…

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作家「帚木蓬生」のペンネームの由来

古本屋で買った「白い夏の墓標」帚木蓬生著 この作家の名前がどうも気になって、いろいろと調べてみました。 作家の名前は以前から知っていましたが、この方の小説は一度も読んだことありませんが、なかなか奥行きがあって興味深く読みすすんでいます。まだ半分くらいです。 「帚木」は、ははきぎ・・と読みます。 帚木は、アサザの植物で、茎は干して、ほうきになります。 別名は「ホウキグサ」または、「コキア…

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「森田療法」と「アドラー心理学」の本を読む

「生きる力 森田正馬の15の提言」 帚木蓬生著 朝日新聞出版 2013年6月25日発行 ー森田療法では過去を問わず、不問に付し、ひたすら現在の生きざま、動きのみを問題にします。なぜなら、人が変えられるのは現在、今の事象であり、過ぎ去った出来事ではないからです。 生きている現時点の瞬間瞬間に、自分の一生をつぎ込んで進んでいく。これが「一瞬一生」なのです。 一瞬一瞬の輝きを大切にする先に、希望の光が…

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帚木蓬生 の 襲来 上下

★3.6 日蓮と元寇の物語を仕えた見助の視点で描く。 〈上巻〉 物語は日蓮の生まれた安房の東岸・小湊(片海)で始まる。下総の守護・千葉氏に仕える富木常忍の片海館の下人として漁をして働く見助(けんすけ)は15歳。孤児の見助は主の命で、諸国を修行して清澄寺に帰った日蓮(1253年)に従い鎌倉に行くことになった。鎌倉の松葉谷に庵を構え、市中で辻説法を行う日蓮の世話をする。日蓮は立正安国論を著わし、前…

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「天に星 地に花」

涙もろくなったようです。 ある小説を読みながら、涙や鼻水が。。。 お陰様で、眼球まわりのクリーニングができました(*^^*) 本のタイトルは、「天に星 地に花」(帚木蓬生) 内容の説明は省きますが、 我は泣かぬと自信のおありの方は、どうぞ。 逆に、眼の大掃除をしたいと思わる方もどうぞ('◇')ゞ この本は、史実を膨らませた江戸時代を背景にした小説です。 数年前に出版されたのですが、この本…

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済州島の春風

 帚木蓬生の「受難」を読了した。著者は現役の医者で、福岡県で心療内科を開業する傍ら、小説の執筆を続けている。本書は、韓国で起こったセウォル号転覆事件をモチーフとし、それとiPS細胞を用いた人体再生を組み合わせた、近未来SF風サスペンス小説である。  津村リカルド民男は、博多の百道に細胞工学研究所を開設し、ES細胞やiPS細胞を用いた再生医療を行っており、3年先まで手術の予約が埋まる程の盛況であり…

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悲しみの素

帚木蓬生の「悲素」を読了した。著者は現役の医者で、福岡県で心療内科を開業する傍ら、小説の執筆を続けている。本書は、1998年に起った「和歌山カレー事件」の捜査および裁判の経緯を、医師の立場から綴ったサスペンス小説である。著者インタビューによると、著者は地元の医師仲間でもある九州大学名誉教授の井上尚英医師より、裁判の鑑定資料一式を託され、それに基づいて本書を執筆しているので、本書は小説の形式を採っ…

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帚木蓬生の「天に星 地に花」。

★4.0  592頁にもおよぶ大作。久留米藩の御原郡井上村の大庄屋の次男に生まれた庄十郎の目を通し、享保13年と宝暦4年の農民一揆を描いている。幼い頃に疱瘡に罹った庄十郎は、看病した母親が伝染して亡くなったことがきっかけで医師の道を志す。父親に連れられ、善導寺に集結した農民一揆(享保)を目の当たりにし、一揆を見事に治めた若き家老(稲次因幡守)を慕う。しかし、人別銀ほかの厳しい新たな賦課に耐えかね…