「短歌の世界」の日記一覧

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【短歌】あけび庵

1/26 【短歌】あけび庵 月暈のおぼろに行くや猫の息そろりそろりと夜を忍びて    あけび庵 【参考】* げつうん/つきかさ・・・ 月の周囲に現れる輪状の光暈。月の光が細かい氷の結晶からできている雲に反射・屈折して起こる。つきのかさ。 あはれにもめぐりあふ夜の月影を思ひ入れずや人は見るらむ 永陽門院少将 月暈のあはき光(かげ)さへ恥(やさ)しかり指に鼓動のあるとおもへば 児玉邦一

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【短歌】あけび庵

1/25 【短歌】あけび庵  触らねば器に虚ろ薄氷の躊躇い押すや手触りの先     あけび庵 【参考】* うすらひ/薄氷/春の氷・・・ 春浅いころの薄く張った氷のこと。または、解け残った薄い氷のこともいう。冬の氷と違い、消えやすいことから、淡くはかない印象がある。 佐保河にこほりわたれるうすらびのうすき心を我が思はなくに 大原桜井真人

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【短歌】あけび庵 NO・2

【短歌】あけび庵 (初春)NO・2 *浮かれ猫合わせ鏡に背を伸ばしひねたる思い爪先立ちぬ    あけび庵 【参考】* 猫の恋・・・ 恋に憂き身をやつす猫のこと。春の夜となく昼となく、ときには毛を逆立て、ときには奇声を発して、恋の狂態を演じる。雄猫は雌を求めて、二月ごろからそわそわし始め、雌をめぐってときに雄同士が喧嘩したりする。 日取り窓見上げてみれば置物の猫かと思えば尻尾が跳ねる    神保…

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【短歌】あけび庵 

1/18 【短歌】あけび庵 (三春) *煽られて蝶流れては逆らわず君が見つけて僕に叫んだ      あけび庵 【参考】* 蝶々/蝶々/胡蝶/蝶生る/春の蝶/眠る蝶/狂う蝶/小灰蝶/胡蝶の夢/岐阜蝶双蝶/緋蝶/だんだら蝶・・・ 蝶は彩りあざやかな大きな翅をもつ昆虫。花の蜜を求めてひらひらと舞ふ。 この味がいいねと君が言ったから7月6日はサラダ記念日      俵万智 サラダ記念日の由来…

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【短歌】あけび庵 

1/17 【短歌】あけび庵 (晩冬) *街明かり今宵いずこの寒の月鎌の細きに空切れそうな   あけび庵 *朝寝坊しては寒月よい惑い見上ぐる空の高さを知らず   あけび庵 【参考】* 寒月・・・ 厳寒の空にさえざえとある月。満月に近い寒月の夜は、冷たい月光が降り注ぎ建物の影や自分の影が地面に黒々と落ちる。いよいよ寒さが身に滲みて、帰宅の足も自ずと早まる。 うたことば歳時記 散りはてて梢さび…

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【短歌】あけび庵 

1/16 【短歌】あけび庵 (初秋) *地を這えば蔓に咲きたり葛のはな鬼根かくして白花という     あけび庵 【参考】* 葛の花・・・ マメ科の蔓性多年草。秋の七草の一つ、日当たりのよい山野、荒地に自生する。紅紫色の蝶形花で、上向きについた花穂は下から上へ咲きのぼる。大きな葉に隠れがちだが美しい花である。根から葛粉をとる。  以下の作者「しゃくちょうくう」の本名は、折口信夫(おりぐちしの…

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【短歌まとめ】あけび庵

【歌人山崎方代に捧ぐ】あけび庵 短歌まとめ *梅干しの並ぶ二つの種を見て歌人方代愛とのたまう *背の寒さ犬の行火は生きる為貧乏という人生があるさ *冬の月白い横顔その下を番の烏が遠く飛び去る *馬肥ゆるウエストどっかに行っちゃった笑って言うからもっと探せよ *おでんの具ロールキャベツが食べたいなお味は少し濃いめが好きだ             ** *冷凍の粽が二つ蒸されてる幾つ食べると聞か…

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【短歌のせかい】あけび庵

【短歌】あけび庵 (晩冬) *面でも裏でも資源は良い宇宙かんげつ探る赤い手一つ       あけび庵 【参考】* 寒月/かんげつ・・・ 厳寒の空にさえざえとある月。満月に近い寒月の夜は、冷たい月光が降り注ぎ建物の影や自分の影が地面に黒々と落ちる。いよいよ寒さが身に滲みて、帰宅の足も自ずと早まる。 うたことば歳時記 なほ三十日(みそか)定年退職する夜に同じ形の月を見るまで  寒月和歌抄より…

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【短歌のせかい】あけび庵 (晩秋)

【短歌】あけび庵 (晩秋) *認知症ふせぐ五つの食べ物を忘れききざけ百薬の長       あけび庵 【参考】* 新酒(しんしゅ)/今年酒/早稲酒/新走り/利酒/聞酒/新酒糟・・・ その年の新米で醸造した酒。昔は、新米が穫れるとすぐに造ったので、秋の季としたが、今は寒造りが主流となった。とはいえ、新米の収穫のめでたさを祝う思いがこの季語には含まれる。  白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづか…

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【参考】

【参考】 "歌人山崎方代(ほうだい)”略歴 方代は、大正3年、右左口村で生まれ「方代」という名前は、「生き放題、死に放題」にちなんで名付けたといわれています。15歳ごろから作歌を始め、山崎一輪の名で新聞や雑誌に投稿していました。太平洋戦争で右眼を失明し、「漂泊の歌人」と呼ばれる方代の歌は、口語体であることが特徴です。 こんなにも湯呑茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり (山崎方代/「左…