「短歌の世界」の日記一覧

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【短歌まとめ】あけび庵no・3

【短歌】あけび庵 初午の火伏の若衆水かぶり仮装の神や奇声も上がる     あけび庵 【参考】*  火伏の奇祭・・・ うかれてはたぬも鼓やうち添へむ初午まつるもりのみやしろ 一葉 初午に友の来たりて酒をくむ花咲く梅に雪ふりつもる こぼり 【短歌】あけび庵 荒れてなお一番という風吹きてこれより戻らぬ春の覚悟や  あけび庵 街を吹き此れみよがしの自販機のごみ箱引きずる春一番よ  あけび庵 【参考】* …

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【短歌まとめ】あけび庵no・2

【短歌】あけび庵 * 抜き足の差し足ならぬ霜柱猫のそろりや肉球探る      あけび庵 【参考】* 霜柱/しもばしら/霜くずれ・・・ 寒い冬の夜などに、毛細管現象によって地上へ上昇してきた地中の水分が、地表のすぐ下で凍るもの。直径二~三ミリの氷柱が束になって上方へ伸び、土を押し上げる。長いものでは十センチ以上にもなる。 しもばしらみればわきくるざくざくとふむそのおととあしうらのきおく ほくとせい…

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【短歌まとめ】あけび庵no・1

春の特別企画   その1. 【短歌まとめ】あけび庵 * 触らねば器に虚ろ薄氷の躊躇い押すや手触りの先     あけび庵 【参考】* うすらひ/薄氷/春の氷・・・ 春浅いころの薄く張った氷のこと。または、解け残った薄い氷のこともいう。冬の氷と違い、消えやすいことから、淡くはかない印象がある。 佐保河にこほりわたれるうすらびのうすき心を我が思はなくに 大原桜井真人 薄ら氷ひの日の訪れず浮寝鳥はばたき…

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【短歌】あけび庵

2/12 【短歌】あけび庵 丸い背を風が追い越す朝の道とおき峰々残雪のあり    あけび庵 【参考】* 残雪/ざんせつ/雪残る/陰雪/去年の雪/雪形・・・ 春になっても消えずに残っている雪。町中では日の当たらない庭の隅や建物の裏などに、野山では木や岩や山の陰に残る。春が進んだ頃、遠くの山肌に残っている雪が輝いているのもいい。山に残る雪の形で種まきの時期を判断したという地方もある。 冬眠の醒め…

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【短歌】あけび庵

2/11 【短歌】あけび庵 いつかはと幹や梢にこころなく雨水かかりて色濡れそむる   あけび庵 【参考】*  雨水(うすい)・・・ 二十四節気の一つで新暦2月19日ごろにあたる。この頃降る雪が雨に変わり積もった雪や氷が解けて水となるとの意から雨水といわれる。草木の芽生えが始まり農耕の備えを始める目安になる。 平らかになりにし父の胸に射すきのふ雨水(うすい)を過ぎたる陽ざし 大辻隆弘

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【短歌】あけび庵

2/10 【短歌】あけび庵 茅葺の五箇山ライトの浮かぶ夜に合掌造や民謡流れる   あけび庵 【参考】*  五箇山合掌集落・・・ 1995年世界文化遺産に登録された「五箇山合掌集落」。 五箇山の地そのものが険しい山岳地帯であったため、「秘境」と呼ばれ、伝統的な合掌造りを中心に、昔ながらの静かでなつかしい風景が広がっています。 白川郷これが世界の文化遺産しげしげと見る合掌作り 愛あるところより

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【短歌まとめ】あけび庵 

【短歌まとめ】あけび庵  *浮かれ猫合わせ鏡に背を伸ばしひねたる思い爪先立ちぬ    あけび庵 【参考】* 猫の恋・・・ 恋に憂き身をやつす猫のこと。春の夜となく昼となく、ときには毛を逆立て、 ときには奇声を発して、恋の狂態を演じる。雄猫は雌を求めて、二月ごろから そわそわし始め、雌をめぐってときに雄同士が喧嘩したりする。 日取り窓見上げてみれば置物の猫かと思えば尻尾が跳ねる    神保茂 【短…

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【短歌】あけび庵

2/9 【短歌】あけび庵 小雨かと思えば夜の雪迷い勝手口より声を投げいれ      あけび庵 【参考】*  雪/ゆき・・・ 雪は春の花、秋の月と並んで冬の美を代表する。雪国と呼ばれる日本海沿岸の豪雪地帯では雪は美しいものであるどころか、白魔と恐れられる。 美くしき指紋の如く雪残る信濃の山の見ゆる路かな 与謝野晶子 山川を埋めてふれる雪の中に咲ける牡丹の花只一つ 正岡子規

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【短歌】あけび庵

2/8 【短歌】あけび庵 鮫洲には朝潮夕潮ふゆもみじ寄せて眺むる安房上総の地   あけび庵 【参考】*  冬紅葉/残る紅葉・・・(初冬) 紅葉の華やかなのは晩秋であるが冬になってもなお美しく残っている紅葉もある。時雨や霜にあたるといよいよ色を増しまっ赤になる。また風で傷んだまま散り残っているものもありその姿は哀れを誘う。 ここまではあらしも訪はじ奥山の岩がきもみぢ冬も残れり 一葉

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【短歌】あけび庵

2/7 【短歌】あけび庵  バリバリと重機唸りて家崩す埃立ちては春の陽あそぶ    あけび庵 【参考】* 春の日/春日/春陽/春の朝日・・・ 俳句では「春日」と書いて「はるひ」「はるび」と読ませたり、「しゅんじつ」と音読みする場合もある。その他、「春の日」の傍題には「春陽」「春日影」「春日向」などがある。春の太陽の柔らかな光と、春の一日と、二つの使われ方があるとは言うものの、やはり「春の日」と…

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【短歌】あけび庵

2/6 【短歌】あけび庵 飲み飽きて葛湯にたしてマーマレイド覗くコップの底に色なす あけび庵 【参考】* 葛湯/くずゆ・・・ 葛粉に砂糖を入れ少量の水で溶き、熱湯を注いで混ぜたもの。体が温まるので冬によく食する。幼児や病人にも良い。 一碗の葛湯を呑みて 幼な 子は眠りに入りぬ癒えゆくらしも 佐田正直 葛湯を使った葛湯ダイエットは、断食の際や食前に1杯の葛湯を飲むことで低カロリーで満足感…

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【短歌】あけび庵 

2/5 【短歌】あけび庵  枝々の蕾は固し身を丸め子猫のの字や春立つあした     あけび庵 【参考】* 立春/春立つ/春立つ日/春来る/・・・・ 節分の翌日が立春で2月4日又は5日にあたる。暦の上ではこの日から春になるが気温はまだまだ低い。寒気のなかにもかすかな春の兆し春立つという感じは自然に対して敏感な日本人特有なものと感じられる。 あしたより日かげさしいる枕べの福寿草の花皆開きけり …

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【短歌】あけび庵

2/4 【短歌】あけび庵 荒れてなお一番という風吹きてこれより戻らぬ春の覚悟や   あけび庵 街を吹き此れみよがしの自販機のごみ箱引きずる春一番よ   あけび庵    【参考】* 春一番/春疾風・・・ 立春後、はじめて吹く強い南寄りの風。この風で草木の芽がほどけはじめ、春の本格的な訪れとなる。もともとは漁師言葉である。 春一番今年の幸福(さち)を寿ぐか福寿草咲くようようの春 範子 春一番狂いし…

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【短歌】あけび庵

2/3 【短歌】あけび庵 初午の火伏の若衆水かぶり仮装の神や奇声も上がる     あけび庵 【参考】*  火伏の奇祭・・・ うかれてはたぬも鼓やうち添へむ初午まつるもりのみやしろ 一葉 初午に友の来たりて酒をくむ花咲く梅に雪ふりつもる こぼり

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【短歌】あけび庵

2/2 【短歌】あけび庵 陽も虚ろ群れて枝先寒戻り小雀つつく毛ずくろいかな    あけび庵 【参考】*  冴返る/しみ返る/寒返る/寒戻り・・・ 少し暖かくなりかけたと思う間もなく寒さが戻ってくることをいう。再びの寒気によって心身の澄みわたるような感覚が呼び覚まされる。「冴え」は光・色・寒気が澄んでいる状態をいう。冴ゆ」は寒さを表現する冬の季題であり「冴返る」はその寒さが戻ってきたという。 …

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【短歌】あけび庵

2/1 【短歌】あけび庵 変わりたる雪の景色に寒雀とどまるといえ庭で鳴き寄る   あけび庵 【参考】* 寒雀・・・ 「雀」単独では季語にはなりません。理由は、年中みかける鳥で、渡り鳥のような季節ものではないからです。ただ、雀を用いた以下のような単語になると、四季おりおりの季語になります。 (1)春:孕み雀(はらみすずめ)/子持雀/雀の子/雀の巣/巣引雀/雀海中に入り蛤となる (2)夏:内雀(…

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【短歌】あけび庵

1/31 【短歌】あけび庵 尺も無く葉に埋もれてはフリージア花屋に確と色の溢れて    あけび庵 【参考】* フリージア(香雪蘭/浅黄水仙)・・・ 南アフリカ原産の多年草。丈三十センチほどで、剣状の葉の間から花茎を出し、下から咲きのぼる数個の花をつける。花の色は、白、黄、紅、紫など多様であるが、なかでも黄色が象徴的。清冽な芳香を放ち、香雪蘭の名もある。 左手で文字書きゐし教へ子を思い出さすよ…

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【短歌】あけび庵

1/30 【短歌】あけび庵 抜き足の差し足ならぬ霜柱猫のそろりや肉球探る       あけび庵 【参考】* 霜柱/しもばしら/霜くずれ・・・ 寒い冬の夜などに、毛細管現象によって地上へ上昇してきた地中の水分が、地表のすぐ下で凍るもの。直径二~三ミリの氷柱が束になって上方へ伸び、土を押し上げる。長いものでは十センチ以上にもなる。 しもばしらみればわきくるざくざくとふむそのおととあしうらのきおく…

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【短歌】あけび庵

1/29 【短歌】あけび庵 * 市が立ち玉子稲荷の初午の風遮るか火防の凧よ       あけび庵 【参考】* 初午・・・ 二月の最初の午の日に行われる稲荷神社の祭礼で、午祭ともいう。京都深草の伏見稲荷をはじめ大阪の玉造、愛知県の豊川稲荷、また神戸の摩耶参など、各地の稲荷神社で盛大に行われる。二の午、三の午もある。 うかれてはたぬも鼓やうち添へむ初午まつるもりのみやしろ 一葉 初午に友の来たり…

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【短歌】あけび庵

1/28 【短歌】あけび庵 海割れて流氷去るや北の国しお吹く風の夜一夜にも       あけび庵 【参考】* 氷流る/流氷期/流氷盤/海明・・・ 北の果てで氷結した海水が溶けだし、割れて海面を漂流する。この氷塊を流氷という。日本では一月下旬頃から三月下旬にオホーツク海沿岸にみられ、四月初旬には沖に退いてゆく。一夜にして去ることも。流氷が退き始めて船が行き交える日を海明けと呼ぶ。 しらじらと氷…