「都都逸」の日記一覧

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都都逸・風の艶歌

誘い風待つ裏切り港       叫ぶ声さえ紅の外 風が泣いてもおんなの涙          ちぎれ舞い飛ぶ北の果て 捨ててしまえばそれまでだよと            胸の奥吹く未練風 今日は追い風どこまでゆくと           乱れ模様の飾り髪 重い想い出片手にそっと         添えて明日の冬の風 冷たい冬の日です・・・

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都都逸・秋女冬女

ばかなふりすりゃ狐の雨が          はらりほらりと降る日暮れ そんなばかなのひょうたん駒も            ぽんと打つ手につかまれて 知って知らない知りすぎ上手           あとの祭りの囃子聞く うすい夕陽の想い出さぐり          あせた紅ふき涙ふき 凍る言の葉結び目きつく         冬の女の瞳濡れ 寒い冬が続きます・・・

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都都逸・おんな秋

妙にざらつく心の砂も         さらりさらさら秋仕舞い 変に飾った心の化粧        落とす夕暮れ後ろ影 わざと横向き心も隠し         鳴らす口笛風を呼ぶ 今宵闇夜の月無し草に        濡れた女の涙ぐせ だからそうなのくちびるだけは            嘘で飾れば秋の紅 物思いの秋かな・・・

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都都逸・秋の女

秋の風吹く荒れ野の道で         迷い拾いの千鳥足 酔っていつものグラスを並べ          秋の待ち人逃れ闇 くもり空行く独りの秋に        髪とススキの風の道 今日は冷たく横向く風に         忘れ想い出秋迷い そんな秋だとうなずきながら           湯気にからんだ苦い酒 色々考える秋ですね・・・

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即興都都逸・晩夏

三日続きの長雨見つめ        独り気楽の安い部屋 声も忘れた昔の人に       遠い言葉の恋メール 想い出すことありそな夜と          二つ並びの闇グラス さらりふわふわ濡れ髪揺らせ           細い肩先絡み足 今日の雨より明日の晴れに         かけた願いの下駄からり まだ、降ってる・・・

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都都逸・夏の坂物語り

港坂道上って下り      昨日明日の交差点 濡れた歩道に映らぬ影を          追って或る夜の裏の坂 波止場たなびく紫雲と        恋のすき間の坂を行く 頬に冷や酒夜明けの坂で        踊るワルツのピンヒール        独り駆け行く朝陽の坂に         港船出の時の音 やはり、今日も暑い・・・

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都都逸・ひとりで・・・

ひとり深い夜おぼろの月に         語り迷いの紅い酒 乾ききらない心の如く        結び髪から落ちる星 隠れ待ち人逢えぬと悟り        ふらり夜更けの裏の時 斜め流し目くちびる触れて          声の語りの背中越し ひとりゆれ道瞳の先に       夜明け知らせる朝の露 夏の緑が目に沁みます・・・

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浮き世都都逸

浮き世空蝉幻だよと        粋を気取った野暮な奴 知らぬ浮き世と口笛吹けば          カアとカラスの同じ声 流れ気ままの浮き世の旅と           今宵巷でふたり飲み ままにならない浮き世と知れば             生きていけるさそれなりに 想い人さえ浮き世の水じゃ          泳ぎ忘れた闇の魚 蒸し暑いですね・・・

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都都逸・渡り橋

渡れ渡れと背中の雨の         せかす思いの橋向こう 変わりひと色ふた色三色          橋のたもとの花の夢 濃ゆくにじんだ坂道下りて          独り迷いの石の橋 今宵雲間の訪れ月に       ちょいと声かけ橋を行き 濡れてむらさき斜めの傘で          隠し横顔映し橋 静かな夜ですね・・・

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都都逸・雨情話

いつもつかの間横吹く風に          かけた想いと闇時雨 深くしみ込む今宵の水は         いっそ渇かぬ裏ごころ 何も知らない知らないふりで           涙雨降るひとり坂 しずくひと胸流れて落ちて          にじむ花びら通い道 迷い雨降り背中を押して         ひと夜幾夜と渡る橋 紫陽花の季節ですね・・・

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都都逸・月と・・・

朝の月さえ知らない宵の         声のささやき窓に立ち 雲に呼ばれて面影抜けて          素足朝露からみ草 さわと吹かれたゆうべの風に           ふわと揺れもすおんな髪 渡りきれたら想いも叶う          昔話の酔いの道 枯れて二度咲く幻なれば           今宵つかみぬおぼろ月 蒸し暑い日々が続きますね・・・      …

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都都逸・語りグラス

片手グラスの酔い道ぶらり          合わせ今宵も夢の音 窓に並んだグラスの叫び          聞いたふりして星を呼ぶ 肩に春雨差し出す傘は         冷めたグラスの濡れ羽色 飲んで行きなと灯りの向こう           粋な小鉢と供グラス 嘘で酔えないグラスとおんな            そっと闇夜に落とす紅 星空が恋しい夜ですね・・・

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都都逸・恋結び

拾う恋から始まる恋も        それも恋だと胸が言う 恋し夕暮れ灯りの道に        そろりふわりとおんな影 風はひとり身共なき恋と         行く手花散る遅い春 さあて今宵の銀色瞳        変化自在の迷い恋 恋のふり糸結びの指に        からめかなわぬいとし恋 夕暮れに恋風が吹いています・・・

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都都逸・花散らし

散るは女のさくらの命        流れゆく川後も見ず 落花流水いづこの空に        想い再び結ぶ朝 胸に吹く風くもりの空を         春という名の乱れ舞い 変わりながらの言葉の花を          ひとつ拾いて君の肩 描く花絵も今宵の風と        粋に流して下りる坂 風に、心まで揺れそうです・・・

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宵道都都逸

銀のかんざしひとひら花を          肩にもらって宵の道 からり鳴らした真紅の鼻緒          回り道する花の宵 忘れ月見る女の夢に        散らぬ花咲き宵が行く ひとり花道浮かれの宵に         ついて来るよな月ひとつ 宵の花さえ想いは深く        言葉さがして上がる坂 いい感じの午後です・・・          

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都都逸・気ままに・・・

夜に牙むく波乱の月を         割ってグラスの共とする きっとその先渡れぬ橋で         流れひとつの夢の川 じゃあと上げた手明日の空の           雲をかいてる昼下がり どうにでもなれ夜明けの花火           パッと散り際大輪に 晴れた空見りゃ心も晴れる          そんな軽めの小さ春 そろそろ春が来るかな・・・

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心都都逸

人の心の裏側見れば        おんなため息渦を巻く 待って止める手振り払えれば          いらぬ苦労の花も見ず 知って知らない不可思議通り           酔って酔わないふたり連れ 話すはずない闇夜のカラス          ひらく口元赤い紅 泣きの涙はそのうち捨てて           からりからんと朝の坂 外は雨かなあ・・・

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冬の宿都都逸

斜め横顔粉雪混じり       吐息向こうに冬の宿 素足温める熱燗さえも         雪の小窓の絵に変わり さくりさくっと迷える足で          向かい合わせの夢見時 あえて言わない闇夜の話          ひとり語りの鳥の声 白い夜明けに横顔だけで          ひらく口元紅をかみ 冬って、やっぱり寒い・・・

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都都逸・むかえ冬

冬の足音聞こえぬふりで         秋の想い出拾うふり 冬の風情の雪見の酒に        いつかいつかの夢を乗せ 寒い心に思い出連れて         どこへ行くのか冬つばめ ちょっと忘れてふとなつかしく           むかしむかしの冬の唄 酒のお供の凍れる星に        グラス合わせて君と冬 冷たいけど、冬の先には春があります・・・

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都都逸・月色々

野暮が見えるぜ今夜は粋に          月にむら雲かかるゆえ 肩をふるわせ泣いてはみても           月に言わせりゃそりゃあ嘘 まこと知らずの真紅の口に          言葉語らす月の秋 冷た夜風に心をまかせ        そっと手に取る月見草 その日暮らしの女の月に          影をからます後ろ風 静かなひとりの夜です・・・