「万葉集」の日記一覧

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八拳髭 胸先至る、、日々、一歌56/365

八拳髭 胸先至る 虎落笛 スサノオ猛る 明けぬ夜の夢 季節、名所を歌う普通派?、いや自然派?小説でいえば志賀直哉、武者小路実篤。それより石川洋次郎???で、この数日。信州、鎌倉の春などなど、、、 一転、今日はロマン派歌調。ロマン派歌人で検索すると、いの一番に与謝野晶子。私には、保田與重郎あたりがロマン派で、チョと意外。画家ながら歌作も伝わる青木繁の歌などは、素直にロマン派だと思ふ、、、 …

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千七十一)

 今回は、一七〇四番歌を訓む。題詞に「獻舎人皇子歌二首」とあり、本歌と次歌(一七〇五番歌)の二首は、「舎人皇子(とねりみこ)に獻(たてまつ)る歌(うた)」である。同様の題詞を持つ歌として、一六八三番歌・一六八四番歌があった。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   捄手折 多武山霧    茂鴨 細川瀬    波驟祁留  一句「捄手折」は「ふさ手折(たを)り」と訓む。この句は、一六八三番歌三…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千七十)

 今回は、一七〇三番歌を訓む。本歌は「弓削皇子(ゆげのみこ)に獻(たてまつ)る歌(うた)」の三首目。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   雲隠 鴈鳴時    秋山 黄葉片待    時者雖過  一句「雲隠」は「雲隠(くもがく)り」と訓む。この句は、一五六七番歌一句他と同句。「雲隠」は、ラ行四段活用の自動詞「くもがくる」の連用形で「雲隠(くもがく)り」。「くもがくる」は、「雲の中に隠れる」…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十九)

 今回は、一七〇二番歌を訓む。本歌は「弓削皇子(ゆげのみこ)に獻(たてまつ)る歌(うた)」の二首目。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   妹當 茂苅音    夕霧 来鳴而過去    及乏  一句「妹當」は「妹(いも)があたり」と訓む。この句は、一二一一番歌一句と同句。「妹」は下に連体助詞「が」を補読して「妹(いも)が」と訓む。「妹(いも)」は「男性から結婚の対象となる女性、または、結婚…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十八)

 今回は、一七〇一番歌を訓む。題詞に「獻弓削皇子歌三首」とあり、本歌〜一七〇三番歌の三首は、「弓削皇子(ゆげのみこ)に獻(たてまつ)る歌(うた)」である。「弓削皇子」について、阿蘇『萬葉集全注』は次のように注している。  弓削皇子 天武天皇の子。母は天智天皇の皇女、大江皇女。長皇子は同母兄。持統七年(六九三)正月、兄長皇子と共に浄広弍を授けられる。文武三年(六九九)七月薨。時に浄広弍。巻二・一…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十七)

 今回は、一七〇〇番歌を訓む。本歌は、「宇治河(うぢがは)にして作(つく)る歌(うた)」の二首目。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   金風 山吹瀬乃 響苗    天雲翔 鴈相鴨  一句「金風」は「金(あき)[秋]風(かぜ)に」と訓む。「金」を「秋」と訓むことは、七番歌のところで述べた。中国の「五行説」の影響を受けて、「秋」を「金」と表記したもの。「五行説」は、万象の生成変化を説明する…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十六)

 今回は、一六九九番歌を訓む。題詞に「宇治河作歌二首」とあり、本歌と次歌(一七〇〇番歌)の二首は、「宇治河(うぢがは)にして作(つく)る歌(うた)」である。金井『萬葉集全注』に「○宇治川 琵琶湖の南端、瀬田から瀬田川となって流れ出て、山間を抜けて宇治市付近から大きく北へ湾曲し伏見を通過して八幡市付近で木津川・桂川と合流して淀川となる。古代は宇治市付近から巨椋池に流入していたが、豊臣秀吉の時代に築…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十五)

 今回は、一六九八番歌を訓む。本歌は「名木河作歌三首」の三首目。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   焱干 人母在八方    家人 春雨須良乎    間使尓為  一句「焱干」は「焱(あぶ)り干(ほ)す」と訓む。この句は、一六八八番歌一句と同句。「焱」はラ行四段活用の他動詞「あぶる」の連用形「焱(あぶ)り」。「あぶる」は「火などで暖めたり、乾かしたりする。」ことをいう。「干…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十四)

 今回は、一六九七番歌を訓む。本歌は「名木河作歌三首」の二首目。  写本の異同としては、四句六字目<等>が、『西本願寺本』以後の諸本には無いことが挙げられるが、『藍紙本』『類聚古集』『紀州本』にはあるので、これを採る。原文は次の通り。   家人 使在之    春雨乃 与久列杼吾<等>乎    沾念者  一句「家人」は「家人(いへひと)の」と訓む。「家人(いへひと)」は、「家の人…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十三)

 今回は、一六九六番歌を訓む。題詞に「名木河作歌三首」とあり、本歌〜一六九八番歌の三首は、「名木河(なきがは)にして作(つく)る歌(うた)」である。同じ題詞の歌として、一六八八番歌があった。阿蘇『萬葉集全歌講義』に「名木川 既出、一六八八。木津川が巨椋池に注いでいたころの流入部の木津川の称。和名抄に久世郡那紀の地がある。一説に、宇治市伊勢田町のあたりという(講談社文庫『万葉集事典』)。」とある。…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十二)

 今回は、一六九五番歌を訓む。題詞に「泉河作歌一首」とあり、本歌は、「泉河(いづみがは)にして作(つく)る歌(うた)」である。「泉河(いづみがは)」は、一六八五番歌の題詞に既出。阿蘇『萬葉集全歌講義』の注に「泉川 現在の木津川。奈良県の宇陀に発し、伊賀を過ぎ、京都府南部の木津から北流して、木津川市・綴喜郡井手町の西を北流し、城陽市の南西を廻って、八幡市北で淀川に合流する川。この川の一帯はもと泉の…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十一)

 今回は、一六九四番歌を訓む。題詞に「鷺坂作歌一首」とあり、本歌は、「鷺坂(さぎさか)にして作(つく)る歌(うた)」である。同じ題詞の歌が、一六八七番歌にあった。鷺坂(さぎさか)は、京都府城陽市久世を南北に走る旧大和街道の坂で、近江・北陸方面への道筋にあたる。坂のある台地が鷺坂山であり、丘上に久世神社がある。  写本の異同は、四句末字<尼>。これを『西本願寺本』に「弖」とし、その他写本の多くが…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千六十)

 今回は、一六九三番歌を訓む。本歌は、「紀伊國作歌二首」の二首目。  写本に異同はなく、原文は次の通り。三句の一字目は、パソコンにない文字なので、【悋】で代替したが、【忄+メの下に厷】という字。澤瀉『萬葉集注釋』に「【忄+メの下に厷】は正字通に『本作吝、俗作悋』とある。」によった。   玉匣 開巻惜    【悋】夜矣 袖可礼而    一鴨将寐  一句「玉匣」は「玉匣(たまくしげ…

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たそかれに問う君、、

たそかれと 名を問ふ君そ あくがれて 茜の澪に 身、踊らせん 進 恋の歌も、なんとか、どうやら。しかし、我ながら!キショい!! 「初春令月、風和ぎ梅咲く旧暦元日」jrと渡船を乗り継ぎ.香椎・宇美・志賀海三社詣ご案内 https://frcodon.yoka-yoka.jp/c54587.html 式部・由里子日記拾遺 https://frcodon.yoka-yoka…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千五十九)

 今回は、一六九二番歌を訓む。題詞に「紀伊國作歌二首」とあり、本歌と次歌(一六九三番歌)の二首は、「紀伊國(きのくに)にして作(つく)る歌(うた)」である。  本歌は 写本に異同はなく、原文は次の通り。   吾戀 妹相佐受    玉浦丹 衣片敷    一鴨将寐  一句「吾戀」は「吾(わ)が戀(こ)ふる」と訓む。「吾」は下に格助詞「が」を補読して「吾(わ)が」と訓む。「吾(わ)」…

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黄泉へ還る日の神へ吠えるクジラ

黄泉路へと 還る日の神 愛をしく 紅燃ゆ澪を クジラ吠へ往く 進・神謡歌ぶり、、 道兼・花山天皇『源氏物語』筑紫の五節舞 〜光の君へ 第4回「五節の舞姫」〜に、、、 https://frcodon.yoka-yoka.jp/e2337588.html 「初春の令月」旧暦元日2月10日香椎・宇美・志賀海神社三社詣ご案内 https://frcodon.yoka-yoka.j…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千五十八)

 今回は、一六九一番歌を訓む。本歌は「高島作歌二首」の二首目。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   客在者 三更刺而    照月 高嶋山    隠惜毛  一句「客在者」は「客(たび)[旅]なれば」と訓む。「客」(一五三二番歌他に既出)は、「客(たび)[旅]」と訓む。上代において「たび」は、異族神の支配する家郷以外の地に在ることを意味したことから、異族神を意味する「客」の字…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千五十七)

 今回は、一六九〇番歌を訓む。題詞に「高島作歌二首」とあり、本歌と次歌(一六九一番歌)の二首は、「高島(たかしま)にして作(つく)る歌(うた)」である。「高島(たかしま)」は、近江国高島郡。琵琶湖の西北岸に位置する。今は滋賀県高島市。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   高嶋之 阿渡川波者    驟鞆 吾者家思    宿加奈之弥  一句「高嶋之」は「高嶋(たかしま)の」と…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千五十六)

 今回は、一六八九番歌を訓む。「名木河作歌二首」の二首目。  写本に異同はなく、原文は次の通り。   在衣邊 著而榜尼    杏人 濱過者    戀布在奈利  一句「在衣邊」は「ありそ[荒磯]邊(へ)に」と訓む。「邊」は「辺」の旧字で、下に格助詞「に」を添えて「邊(へ)に」と訓む。この句の注として、金井『萬葉集全注』が詳しいので、それを見ておこう。  原文「在衣辺」とある…

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『万葉集』を訓(よ)む(その二千五十五)

 今回は、一六八八番歌を訓む。題詞に「名木河作歌二首」とあり、本歌と次歌(一六八九番歌)の二首は、「名木河(なきがは)にして作(つく)る歌(うた)」である。金井『萬葉集全注』は、「○名木河 古代、那紀(なき)郷(和名抄)のあたりを流れ巨椋(おぐら)池に注いでいた川。那紀郷は今の京都府宇治市伊勢田町附近。現在の名木川は宇治市広野町に発し、近鉄大久保駅近くを西流し、古川と合流して北流し宇治川に注いで…