さんが書いた連載日常1の日記一覧

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「暖かい」

二人で公園目指して歩いた。先ずは紅梅を楽しもうと垣根の中に入って行った。隣には白梅もある。カメラを向ける人。私達もそれぞれ相手を撮り合い、ラインで送る。 数組の幼子と母親が遊んでいる傍のベンチにした。友人には賑やかな方がいい。私はシャキシャキレタスサンドとトマトジュース2本。友人はお握りとお茶だ。飲食店の店頭で弁当を見たのだが、重い気がしてコンビニで調達した。 2月だというのに、私は半袖にな…

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「おかえりなさい」

一日中すべすべの肌をした孫達と過ごし、明るいうちに帰宅した。 家の前でご近所さんが「おかえりなさい」と迎えてくれる。 「ただいま!嬉しいです、そう言われると」 「あら。いつもそう言って来たから習慣なのよ。」 「でも、凄く嬉しいんです。」 「そうね。元気で帰って来たんだものね。」 ちょうどそこに、ご近所さんのお隣さんが、車で帰って来た。門扉を開けるために車から出て来た。私は近づいた。 「お帰…

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「同じ花を見ていたい」

下向きに持とうと思ったが、先端が地面に届きそうだ。肩に担いだ。本人はカッコイイつもりだが、はて人にはどう映るやら。 私は美容院で白髪染めをして来たところだった。天気もよかった。歩き出して直ぐに、この花は私よりもっと相応しい人がいる気がした。そうだ、このまま親友を訪ねてもいい。 線路際の小さなお店が並ぶ道に来た。一軒のドアが開いている。入ってみる気になった。 中は意外に広かった。カラオケのス…

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「東京が光っている」2021:1:1

このまま夜に突入する訳にはいかない。一年の計は元旦にありだ。 まずは形。スボーツブラはキツイが、運動する時は必須だ。上下とも薄い生地のスポーツウエア一枚。靴下は滑り止め付き五本指。ランニングシューズはナイキの新品。 運動して来ると告げると、「じゃ、幕張だ」と息子が言う。 昼間テレビで「走る人」を見ていた。実業団駅伝だ。久しぶりだった。人は走る生き物なのだと思った。 幕張の海は既に暗かった…

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「正月くらい休んでも」

急激な寒さで、冬でもあまり着ないセーターを着る機会が増えた。洗濯したいが、アクロンがない。まずはそれを買ってからスーパー、と普段はバイクで行く買い物を歩く事にした。特に予定がない日は一時間は運動したい。 ビバホームの入り口に看板が出ている。正月1日2日は休みだ。正月に休む動きは広まっているのだ。 娘の家の冷蔵庫に年末年始に休業する店舗のメモが貼ってあった。近くのヤオコー以外にオオゼキも休む。…

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「福袋」

雨が降らない。今日こそ降るかと洗濯物を家の中に干して出たが、昼頃には青空が広がった。 帰宅して荷物を玄関に置くと、ゴム長に履き替える。プランターの大根には先日腐葉土を掛けたばかり。土が深ければ大根も長くなるだろう。百合の鉢にもサクラソウの鉢にもたっぷりと水やりをした。 斜め前のご近所さんが庭で手入れをしていた。 「去年はありがとう」 そう言ってぎっしりと苗が植わったサクラソウの鉢を持って来た…

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「花を贈る」

朝一番の楽しみは雨戸を開ける時。スマホのアラームは年中5時半だから真っ暗で、直ぐには開けない。 出掛ける間際に雨戸を開ける。今朝は「わお!」と声が出た。霧だ。濃い霧が辺り一面を覆っている。誰かに言わずにいられないので、息子にラインした。 それから昨日植えた寄植えを眺めてエヘラエヘラした。 出掛けた帰りに、ご近所さんの玄関に素敵な寄植えを見つけた。ちょうど水やりをしていた。聞けば農家で買った…

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「このまま年末年始に突入するのはマズイ」

入口はミカンやバナナが山積みだし、野菜の中で唯一高かったネギが半額程度に下がっている。開店して30分も経っていないのに、人が沢山いて歩きにくい。 やっとくぐり抜けると、今度はクリスマス向け商品が特設された棚に整然と並んでいる。お店はすっかり年末だ。 リンゴが何種類もある。昨日食べた『名月』も。『信濃スイート』を超えていて深みのある美味しさだった。 「今年最後のポイント10倍だからだね。10…

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「親知らず子知らず」

玄関脇の鉢に驚いた。先日はまだ芽が出たばかりだったのに、30センチは優に越えている。赤いヒガンバナだ。黄色やオレンジはまだ芽が伸びて来ない。 孫は人生初のママのいない日常を過ごして三日間経ち、大人二人が張り付いていた休日が終わった。保育園だ。 前日から保育園という言葉が出る度、顔をしかめていた。休みの日には7時過ぎまで寝ていたのに、6時過ぎに目を覚ました。 手を繋いで階段を降りようとする…

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「9月は気を付けよう」

風知草(フウチソウ)は見た目はただの草だが、少しの風でも葉が靡いてくれてまことに涼やかだ。リビングから見える場所に置いている。 夏が暑すぎたせいもあるのだろう、植えた苗がなかなか大株に育たない。リビングの窓は一日中よく見る。花が少ない。 近所のビバホームに行った。人が買っている籠を覗き込んだりする。カラフルな色を組み合わせている。 小さな花が可愛らしい。あれとこれを組み合わせよう。聞いたこ…

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「赤い雨合羽」

入り口に近づくと外が薄暗い。やはり日が短くなっている。 雨だ。いきなりの大粒の雨。日中も二度ほどあった。白くけぶる雨を暫し眺めたものだ。台風10号は日本列島を覆う太平洋高気圧のせいで真っ直ぐ北上した。 傘を差してスーパーに向かって来る人もいれば、差さずに走って来る人もいる。私は店先で雨宿りしていようかと思ったが、やめた。早く帰りたい。 バイクの座る部分の蓋を開けた。赤い色が目に入った。雨合…

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「口福」

こんな時間に目が覚めた。誰も通らないような舗装もしていないスーパー林道を、ゴローさんが走る。 録画してあった『自転車ひとり旅第二弾!徳島ぐるっと320Km』だ。 テーブルには『行ける工場夜景写真集』が載っている。夕食後写真集を見ていて眠ってしまった。お腹は満腹。 大きな新ジャガを食べた。圧力鍋で茹で、バターを載せた。溶けていく黄色いバター。口にとろける芋の甘み。 乳癌以来、乳製品は極力摂…

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「山には行けるが映画館が怖くて」

小ぶりなレタスが並んでいる。私は最近、異常にレタスが食べたくなっている。ほうれん草は茹でるからぐにゃりとするし、キャベツは生だと堅い。レタスのシャキシャキ感を味わいたい。 1個「298円」とあったら手は出ない。暫し迷った末に半分で「198円」を買った。2日でなくなる。 それが丸々1個「98円」!アメリカ産。レタスをどうやって運搬するのだろう。船なら桁外れのクスリが使われていそうだ。飛行機しか…

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「濃厚接触」

昨日は帰ろうとした時にポツポツ来ていたが、直に土砂降りになり、全身濡れ鼠となった。そのままお風呂場に直行した。着替え一回分はいつも用意してある。 お店に入る時出る時は必ず消毒。最近は足で踏むと液が出てくるタイプが増えた。 そのせいとは言えないが、右手の爪が変形して来た。普段はコロナには負ける気がしないが、体の一部に異常があると突然か弱くなる昭和の乙女。 高血圧でかかっている近所の医院に行っ…

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「今朝は涼しい」

と思ったが、温度計は28·4度。でも涼しい。エアコンは朝起きた時に消し、換気する。 私はケチだ。地球環境を考えてこれ以上汚してはならぬなどと言い訳し、シャンプーもボディソープも半分にした。二回プッシュするところを一回に。今日はシャワー浴びず。 この夏は好きなだけ水と電気を使った。昨日ガス代の請求書兼領収書が来た。これもいずれ近いうちにネット配信になり、紙が欲しければ有料になるのだろう。もうな…

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「飛ぶように売れていく」

最後の一個だ。手を伸ばそうとした。横からサッと持って行かれた。だが、直ぐに戻した。人の手が直接触った。躊躇した。するとまた違う手が伸びて持って行く。また戻した。 若い男の店員が出てきて、ダンボール箱を開けた。キャベツがぎっしり詰まっている。 箱に直接伸びてくる手もある。 「一つ下さい」 私も加わった。私はレタスを買いに来たのだが、見当たらなかった。キャベツも148円。 市民の森で仲間と運動…

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「習慣」

深夜玄関の戸を開けて外に出た。もわっとする。花達が煌々と照らされている。街灯がLEDに変わり、花に夜がなくなった。 朝起きると体内に熱が籠もっている感じで、シャワーを浴びるようになった。出掛けるまであと20分しかなかったのに、今朝も浴びた。 帰省ラッシュもUターンラッシュもなかった今年の夏。花火大会も夏祭りも、海水浴もラジオ体操も。 先日都内に行った。皇居周辺はいつ来ても大勢走っているのに…

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「ボケ防止にいいらしい」

みんな帰省せずにどこに行くんだろ。確かに家にいれば涼しい。でも。 市内のスパに行った。駐車場はほぼ満車状態だが、中は特に混んでいるとも思えない。 浴室の洗い場もお風呂もガラガラだ。身体を洗ってお風呂に浸かった。 ここにいたのか。お湯に浸かって外を見ると裸が溢れている。だが、煩い感じはしない。みんな所在投げに空を見つめている。よく目が合ってしまう。 みんな美しい。ローマの彫刻を思わせる。若…

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「お盆なのに」

朝起きてエアコンを消して、窓を開けた。一晩中つけていた。いつもはタイマーで消していたが、今年は今までの当たり前をやめた。 コロナウイルスは面倒なヤツだ。インフルエンザなら夏には下火になるのに、新規感染者は一向に減らない。何故高温多湿でも力が弱まらないのか。ヤツにとっては「宿主」に当たる人間様は、30度を越えたらヘロヘロだというのに。 仲間と一時間程ウォーキング&ジョギングした帰り、いつものよ…

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「自由を求めて」

玄関に何やら黒い物が落ちている。はて何だろう。 私は朝起きると真っ先に玄関に行く。 「おはよう」 透明の蓋を取り外し、餌を一つまみ目の前に落としてやる。ヤツは盛んに鋏を振り回す。 次の水槽には幾分小ぶりな二匹がいる。それぞれ一つまみ投下する。 次は餌を換える。ずっと細かい粒だ。こちらは投下するとパーッと水面に浮かぶからか、メダカ達はわちゃわちゃするだけで水面には上がって来ない。 始めは…