流罪になった切支丹の呪い
宮部みゆきの「黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続-」を再読した。著者は直木賞作家で、ミステリー、時代劇、ファンタジー等、レパートリーの広い作家である。本書は、「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子」「三鬼」「あやかし草紙」に続く、三島屋変調百物語シリーズの第六作目であり、著者お得意の江戸怪異譚である。本書の前作で、シリーズ開始以来の百物語の聞き手のおちかが嫁に行き、本書から三島屋の黒白の間に…
宮部みゆきの「黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続-」を再読した。著者は直木賞作家で、ミステリー、時代劇、ファンタジー等、レパートリーの広い作家である。本書は、「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子」「三鬼」「あやかし草紙」に続く、三島屋変調百物語シリーズの第六作目であり、著者お得意の江戸怪異譚である。本書の前作で、シリーズ開始以来の百物語の聞き手のおちかが嫁に行き、本書から三島屋の黒白の間に…
宮部みゆきの「さよならの儀式-8 Science Fiction Stories-」を読了した。著者は直木賞作家で、ミステリー、時代小説、ファンタジー等、レパートリーの広い作家である。本書は、著者の久し振りのSF風味の作品を集めた短編集である。 「母の法律」:虐待を受けた子供と虐待したその親の両方を救済するための、「マザー法」が施行されている世界の話。その世界では国が、児童虐待が起こった親子…
毎日新聞朝刊の連載小説は、今、宮部みゆき作です。いろんな人物が、怪奇な話を、次々に展開する仕組みになっています。私は、もともと、実録物、ドキュメント物が好きなので、この系統は嫌いなはずなのに、毎日、欠かさず読むほど、はまっています。もう218回と書いてありますので、話は、相当進んでいるのですが、今日とりあげようとするのは、語り手が、武蔵野をさすらい、疲れ果てて、大きな民家の、大きな縁側に倒れ込ん…
宮部みゆきの「昨日がなければ明日もない」を読了した。著者は直木賞作家で、ミステリー、時代小説、ファンタジー等、レパートリーの広い作家である。本書は著者の久し振りの現代物で、杉村三郎シリーズの第五作であり、三編からなる連作中編集である。 「絶対零度」:杉村探偵事務所の記念すべき十人目のお客は、口コミで聞いてきた筥崎静子という名前で50代半ばの中年夫人である。彼女の依頼は、結婚して一年半になる娘…
宮部みゆきの「あやかし草紙-三島屋変調百物語伍之続-」を読了した。著者は直木賞作家で、ミステリー、時代劇、ファンタジー等、レパートリーの広い作家である。本書は、「おそろし」、「あんじゅう」、「泣き童子」、「三鬼」に続く、三島屋変調百物語シリーズの第五作目であり、著者お得意の江戸怪異譚である。 本書の主人公のおちかは、川崎の旅籠の娘であるが、彼女に近しい若い男性が二人訳あって亡くなったため、江…
読み終わった。 今の世の中でありそうな家族、社会背景が事件と結び付けられて話は進んでゆく。 「抵当権と短期賃貸借」など、昔、仕事で勉強したことが書かれてもあり思い出し、少し懐かしくも。 作者もよく調べたとなあ感心したが。 丁寧に話が進められていく。でも、見方を変えれば話が長過ぎすると思う。 この作者の「火車」は面白かったが、そのあと読んだ 「荒神」は今一つ。 人気のある作家だが、「理由」を…
宮部みゆきの「この世の春(上、下)」を読了した。著者は直木賞作家で、ミステリー、時代小説、ファンタジー等、レパートリーの広い作家である。本書は基本的には時代小説なのだが、「サイコ&ミステリー」作品でもある。 物語は、宝永7年(1710年)、六代将軍徳川家宣の時代の下野北見藩二万石で始まる。名君と謳われた第五代藩主北見成興の嫡男で、英邁と美貌を誉めそやされていた第六代藩主の北見重興が26歳の若…