「私小説」の日記一覧

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小説 フリードリンクカフェ 第34話 ストーカー

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  山田のケイタイには、毎日のように麗子からメールが入るようになっていた。  主に、いかに自分が派遣社員として冷遇されているかを、毎日の出来事を紹介することで説明するものだった。  それでストレス解消になるならと、山田はできるだけ丁寧に返信した。  食事やお茶に誘うのも、ほとんど麗子からだが、それでも山田…

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小説 フリードリンクカフェ 第33話 ハイタッチ

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  “行動名人1dayセミナー”の後、二次会が予定されていた。  山田は参加を辞退して帰ることにした。  「悪いけど用事があるんで、今日はこれで帰る。楽しかったよ。誘ってくれてありがとう」  麗子は、山田が二次会も参加すると思っていたのか、少し残念そうな素振りを見せて言った。  「じゃあ、駅まで送…

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小説 フリードリンクカフェ 第32話 大切な人

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  “行動名人1dayセミナー”では、山田の予想に反して、eラーニングのMLMは渡された資料に僅かに紹介されているだけで、売り込みは無かった。  サムと愛称で呼ばれる講師が登場すると、歓声が上がった。サムは紛れもない日本人だが、どうやらカリスマ講師らしい。  不遇な時期を経て、ある高額なセミナーに参加したの…

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小説 フリードリンクカフェ 第31話 セミナーへの誘い

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  麗子と山田は、日本スポーツ財団主催の大阪のシンポジウムで知り合った。当時は財団のスポンサーの大手製薬会社に派遣社員として勤めていた彼女が、シンポジウムの健康飲料のブースでコンパニオン役をしていた。  山田はリハビリ専門医のポータルサイトの宣伝のために、サイトのデモンストレーションブースを受け持っていた。 …

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小説 フリードリンクカフェ 第30話 

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  山田は葬儀の後片付けや家の中の掃除、整理などを毎日ゆっくりとしたペースでやっていた。  様子を見に、兄弟達が代わる代わるやってくると、写真が趣味だった父の膨大な量の写真を見せて、幼い自分の写っているものをはじめ、好きなものを持って帰らせた。形見に、好きなものを持って帰らせるようにもした。  49日を見計…

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小説 フリードリンクカフェ 第29話 最後の入院

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  父親の容態が悪くなり、山田は千原が主催した“なりきり戦隊”の発足パーティー以来、外出らしい外出ができなくなっていた。  いつ容態が急変するか分らないので、家に居てもほとんど24時間つきっきりになっていた。  9月、連休明けに通院を予定していた金曜日、父親が未明に少し嘔吐し、嘔吐物には血液が混じっていた。…

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小説 フリードリンクカフェ 第28話 

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  入院中の父親を見舞った後、山田はその足で千原の指定した千代田線沿線の下町、Aに向かった。  オフ会は千原の自宅で行うという。ホームパーティーになるというので、手土産代わりに、山田は駅前の酒屋で缶ビールを数本買った。  山田が駅に着いた旨を伝えると、千原は彼をそのまま携帯で誘導する。住宅街を抜け、やがて広…

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小説 フリードリンクカフェ 第26話 メルマガ創刊

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  山田は何とかホームページを立ち上げ、メールマガジンを発行する準備ができたところで、大手メルマガ配信スタンドにメルマガ創刊を申し込んだ。  これを使って、ビジネス実践会の紹介を本格的にやっていこうと考えていたので、山田にとっては、よけいに実践会の破綻はショックだった。  しかし、メールマガジン創刊に向けて…

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小説 フリードリンクカフェ 第25話 ビジネス実践会炎上

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  ビジネス実践会の様子がおかしくなってきた。  山田が千原と会って間もなく、本部から薄い茶封筒が届いた。中には、会員の宣伝活動による資料請求1件につき、500円を支給するシステムを廃止するという書面が入っていた。  1500円の書籍の無料請求者を募るやり方が、経費超過をおこしたらしい。文書には、原因として会…

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小説 フリードリンクカフェ 第24話 それぞれの思惑

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  千原がハンドバッグから取り出した小さな箱には、携帯電話の充電用アダプターに接続するプラグインと、同じ形をしたコネクターがついていた。  「ワンタッチででやっちゃいますから、設定しても良いですか?解除も簡単にできますよ」  「へぇー。じゃあ、どうぞ」  山田は自分の携帯電話を差し出した。  千原は…

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小説 フリードリンクカフェ 第23話 東京事業所長

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  ネットでやりとりをしただけの人と会うのは山田にとって、それが初めてだった。  出会い系サイトの利用者は、いつもこんなことをやっているのかな?などと思いながら、彼は地元のK駅構内でそれらしき女性を探した。  ビジネス実践会の会報の記事から、メールでやりとりをするようになった千原恵には、小学校4年生の子供が…

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小説 フリードリンクカフェ 第22話 会員との交流

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  配信スタンドを使ったメールマガジンの創刊のため、ネットフランチャイズのような定型のショップサイトではなく、オリジナルのホームページをつくる必要があった。  もとより独自のホームページづくりを目指し初心者向けの講座にも行き、ホームページビルダーも買っていた山田は、いろいろなサイトを研究するようになっていた。…

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小説 フリードリンクカフェ 第21話 スパムメルマガの終焉

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  噂では聞いていたし覚悟もしていたが、山田は、誹謗中傷がこれほど強烈に精神的ダメージを与えるものとは思わなかった。  そういうものに限ってメールアドレスを変えてきているので、アドレス帳のリストから削除することもできない。  そんな反応をするのは、何か後ろめたい事があるからじゃないのか?と返信すると、「そも…

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小説 フリードリンクカフェ 第20話 スパムマガジン

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  山田は、1週間かけてコツコツ溜め込んだメールアドレス600件に対し、メールを送信した。全てネットフランチャイズの代理店だ。 このメールはホームページをお持ちで、尚且つメールアドレスを公開されている方々にBCCでお送りしています。ご迷惑になるようでしたら、恐れ入りますがこのメールにその旨ご返信下さい。今後…

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小説 フリードリンクカフェ 第19話 やる気のきっかけ 4

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  山田の加盟していたネットフランチャイズは、代理店になると自分用のホームページ(ネットショップ)が支給される。  そのページには店主の名前とともに、メールアドレスがリンクされている。  だからネットショップのキーワードを使って検索すれば、無数のサイトがヒットした。  業界団体などの名簿を使った電話営業を…

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小説 フリードリンクカフェ 第18話 やる気のきっかけ 3

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  サポートセンターから、丁寧で長い返事のメールが山田に届いた。彼は、その丁寧さに感心はしたものの、内容についてはがっかりさせられた。  本部としてもそのような実態があるのは承知していて対策に苦慮しているが、自分で買ったものを、いくらで売ろうと自由なわけで、日本の法律ではどうにうにもならない。規定違反も証拠を…

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小説 フリードリンクカフェ 第17話 やる気のきっかけ 2

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  システム販売の形態にブレイクアウェイという方式がある。  これは、ある代理店の顧客が代理店の資格を取ったとき、代理店と顧客という関係が無くなり、今度はフランチャイザーとフランチャイジーという関係になるシステムだ。  つまり、小売顧客としての利益を得ることはできなくなるが、代理店の総売上の何%かを受け取る…

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小説 フリードリンクカフェ 第16話 やる気のきっかけ 1

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  セミナーはソフトの体験版を使ったもので、結局山田はホームページ制作ソフトを買わなければ始まらないと悟った。  半日セミナーから戻ると、彼は早速ソフトをamazonに発注し手に入れたが、ホームページをつくるにしてもイメージが湧かず、すぐに頓挫してしまう。  山田はパソコンを初めて手に入れた数年前からホーム…

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小説 フリードリンクカフェ 第15話 ネットへの入り口

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  山田が、日本スポーツ財団の公式サイトに、公認のトレーナーや、リハビリ専門医のPR用の有料ページを取る営業を開始してから1年が経過していた。  始めのうちは、父親の様子を見ながら病院まで出向いて営業もしたが、反応はあまりよくなかった。  何より山田のやる気を削いだのが、ほぼ決まりかけていた案件を財団の職員…

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小説 フリードリンクカフェ 第14話 返金保証

(15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです^^;)  山田は、送られてきたビジネス実践会の資料を読み直していた。 <勧誘文> (ここから)  実践会のサポートは短期間で終了するものではありません。ですから、入会金という投資は、あなたが今後一生、継続的な収入と安定を得るための自己投資です。そして、一度知識とノウハウを身につけてしまえば、仮にあなたがドン底へ…