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ピアノ初心者でも大丈夫!独学での練習方法や注意点を解説
かつて、「ピアノ・エレクトーン」は子どもの習い事として非常によく知られたものでした。
アクトインディ株式会社が取った集計では「年々ピアノ・エレクトーンを習う人の数は減っていっている」とされていますが、それでも、2019年の段階でも4位に入っています。
2019年の段階ですらこの状態ですから、今「大人」になっている人のうちの少なくない数が、「子どものころにピアノを習いたかったけれど、習うことができなかった」という思いを抱えているのではないでしょうか。
しかし、大人になった今だからこそ、「自分の意思だけ」でピアノを始めることができます。
ここでは主に、「大人独学でピアノを始めていく方法」を紹介します。
出典:PRTIMES(アクトインディ株式会社)「【2019年習い事調査】「ピアノ・エレクトーン離れ」が顕著に 一昨年29%より10ポイント減~子どもの「好き」を見つけたい、伸ばしたい親心~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000082.000026954.html
正しい練習方法なら独学でも問題なし
「ピアノを始めたいけれど、お金がかかるのはちょっと……」
「そもそも仕事が不規則すぎるので、たとえピアノ教室に入ったとしても通えない可能性がある」
「飽きっぽいので、再来月には違うものに興味が移っているかもしれない」
このような理由で、独学でピアノを学んでいきたいと考える人もいるのではないでしょうか。
難易度が高いように思われがちな「独学でピアノを習う」という選択肢ですが、実は、ピアノは独学でも上達していけるといわれています。
独学は「師匠」を持たないため上達速度は遅いかもしれませんが、正しい勉強方法を知っていさえすれば、一人でも嗜んでいけると考えられています。
現在はピアノ講師などが配信している動画などでピアノの弾き方を学べますから、これらを利用するのも良いでしょう。
独学でピアノを練習するメリット
独学でピアノを練習することには、いくつかのメリットがあります。
お金がかからない
第一に、「お金がかからない」という点が挙げられます。
ピアノは、決して安いものではありません。
グランドピアノは100万円を超えるものも決して珍しくありません。電子ピアノであったとしても、新品を買おうと思うなら最低でも5万円はみておかなければなりません。
ここにさらにレッスン費用が上乗せされれば、かなり「高額の」趣味になるでしょう。
しかし独学でピアノに取り組めば、レッスン費用はかかりません。このため、初期費用は大きいもののランニングコストは抑えられます。
自分のペースで練習できる
社会人ともなると、子どものころのように「毎日16時からピアノのお稽古」などのようにスケジューリングすることは難しいといえます。
残業しなければならなくなることもありますし、出張に行かなければならないこともあるでしょう。出勤日や出勤時間によっては、そもそもピアノ教室が開いている時間には通えないこともあります。
しかし独学でピアノに取り組んでいく場合は、自分のペースで練習できます。
独学のデメリット
一人でピアノを学んでいくことにはメリットもありますが、同時にデメリットも存在します。
習得に時間がかかる
教室に通うと、ピアノ講師の丁寧な指導を受けることができます。彼らは単純に「弾く技術」に優れているだけでなく、「教えるノウハウ」も持っています。
どのようなところから教えたらいいのか、どの段階になったら次に行けばいいのか、現在の修練度合いとそこから導き出される「次のカリキュラム」は何なのかなどを、彼らは知識として知っています。
このため、生徒はより効率的に学んでいけるのです。
しかし独学でピアノに取り組んでいく場合、効率は悪くなるうえ、「果たして自分のやり方が良いかどうか」が判断できないというデメリットを抱えることになります。
モチベーションの維持が難しい
人間はなにかしらの「強制力」がなければ、物事を続けることが難しい生き物です。特に、多忙な社会人はこの傾向が顕著です。
しかし、教室に入った場合「ドタキャンすると先生に迷惑をかけるから……」「通わないとお金が無駄になる……」「友達ができた!」「コンクールがあるので、それに剥けて練習したい!」などのような理由で、練習を続けやすくなります。
言い換えるなら、「独力でピアノを学び続けること」には、このような外的要素がなくても続けていけるだけの強い意志が必要だといえるでしょう。
初心者が知っておきたいピアノの基礎知識
独力でピアノに取り組むことのメリットデメリットを紹介したところで、ここからはより実践的な分野についてみていきましょう。
ピアノの種類
ピアノは大きく分けて
・アコースティックピアノ
・電子ピアノ
・ハイブリッドピアノ
の3種類があります。
アコースティックピアノは、いわゆる一般的な「ピアノ」です。先に挙げたグランドピアノもこれに含まれますし、アップライトピアノもここに分類されます。なお前者の方が深みのある表現を楽しめ、後者の方はコンパクトで扱いやすいという特徴があります。
調律を必要としない「電子ピアノ」は、表現の幅という意味ではアコースティックピアノには適いません。しかし値段も安めで、音も響きすぎないので、ライトに楽しみたいと考える人に向いています。
「ハイブリッドピアノ」は、アコースティックピアノと電子ピアノの真ん中に位置するものです。新しい技術で作られたもので、ヤマハなどがこれをよく手掛けています。
楽譜を理解できるようになる
しっかり取り組めば、楽譜は読めるようになるといわれています。
なおかつては「バイエルはすべての基礎」とされていましたが、これにはヘ音の記号を読みにくくなるというマイナス点があります。
現在はこのあたりも考慮した教本が出ているので、調べてみると良いでしょう。
指の独立はじっくり練習が必要
私たちは普段あまり意識することはありませんが、「指」というのは非常に複雑な構造を持っています。人差し指~小指までは腱によってつなげられている状態にあるため、たとえば人差し指だけを動かそうとしてもほかの3本の指にひっぱられてしまいます。
しかしピアノを美しく弾きこなすためには、「指が独立すること」が必須となります。
これは一朝一夕でできるものではありません。まずは利き手の方からじっくり練習をしていくことが重要です。
ピアノ初心者の独学勉強法
「ピアノ初心者が知っておきたい基礎知識」について学んだところで、ここからは、「独学の勉強方法」に焦点を当てていきましょう。
まずは練習曲を選ぶ
上でも少し述べましたが、昔は「初心者といえばバイエル」といわれてきました。
しかし現在は、考え方も変わってきています。
たとえば、非常に知名度の高い「エリーゼのために」は(バイエル卒業レゲルではあるものの)比較的初心者でも取り組みやすいといわれています。
また、ポップスとして「いきものものがたり」の「ありがとう」なども人気を博しています。非常に人気の高いこの曲は、多くの人が「初心者さんのための楽譜」として提供しています。「聞きなれた曲を、自分で弾けること」は、モチベーションを保つためにも役立ちます。
なお、一世を風靡した「Let it go」も比較的取り組みやすい曲だといわれています。
片手から弾けるように練習する
「ピアノといえば、両手で弾くもの」と考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし「利き手ではない方の手」で弾くのはなかなか難易度が高いものです。「利き手ですら上手く弾けないのに!」という人にとっては、なおさらでしょう。
そのため、初心者さんはまずは片手(利き手)から弾けるようになるまで練習をします。片手である程度弾けるようになったら、利き手ではない方の手で練習します。
模範演奏を聴く
「お手本」を毎日聴くのも、立派な練習です。学習方法の一つとして「学びたい分野の講義を耳に入れ続ける」というものがありますが、ピアノでも同じことがいえます。
また、美しい演奏を聴くことで、「自分もこんな風に弾けるようになりたい」と、練習する意欲がわいてくることでしょう。
毎日少しでもピアノを弾く
ピアノに限ったことではありませんが、「継続」は何にも勝るものです。
毎日少しずつでもピアノを弾くことで、徐々に能力が上がっていきます。
1日に5分でも10分でも構いませんから、必ずピアノに向き合うようにしましょう。また、学び始めた当初の自分の演奏を動画で撮っておくと、後になって見比べたときに「こんなに下手だったのに、ここまで上手くなれたんだなぁ」と感動できるかもしれません。
ピアノ初心者が気をつけたい注意点
最後に、ピアノ初心者が意識したい「注意点」について解説します。
楽譜で分からない部分があれば必ず調べる
楽譜で分からない部分があった場合、必ず調べるようにしてください。
現在は初心者向けの講座として、「楽譜の基本的な読み方」を紹介しているところが多くあります。
「自分で調べて学ぶこと」もまた、勉強です。
上手く弾けないときは指番号を確認する
「どうにも上手く引けないな」という場合は、指番号を確認してください。指番号とは、親指側から1・2・3・4・5と割り振られているものです。楽譜に割り振られた指番号にしたがって弾くことで、きれいに曲を弾きこなせるようになります。
初心者の段階では、指番号がふられた楽譜を購入することも意識しておきましょう。
自分に合ったレベルの楽譜を選ぶ
「この曲を弾きたい!」という気持ちはモチベーションアップにつながりますが、あまりにもレベルが高すぎる楽譜に焦点を当ててしまうのは考え物です。高レベルすぎる楽譜を選んでしまうと、「上手く弾けない苛立ち」からピアノを見るのが嫌になってしまう可能性が高いからです。
まずは「自分が楽しく弾けるレベル」の楽譜から取り組んでいきましょう。
まとめ:行き詰まったら相談してみるのもアリ!
ここまで紹介してきたように、ピアノは独学でも取り組んでいけるものです。
しかし「他の人とも関わりたい」「一人でやっていたけれど、行き詰まってしまった」などのようなときは、ほかの人に相談してみるのも良いでしょう。
行き詰まりを解消しないと、ピアノに向き合うことが苦痛になってしまいます。社会人の趣味は「楽しくやること」に焦点を当てた方が続けやすいものですから、ほかの人の力も適宜借りていきましょう。そこから新しい縁も生まれるかもしれません。
趣味人倶楽部には、「趣味としてピアノを楽しむ大人」がたくさんいます。ぜひ彼らの助けを借りてみてくださいね。