• HOME
  • 新着記事
  • 【初心者向け】登山の基礎知識・マナーや山選びのポイントを解説

【初心者向け】登山の基礎知識・マナーや山選びのポイントを解説

近年、健康にいい趣味として注目を集める登山。特別な技術がいらない一方、山に登るには装備の準備やマナーの勉強など、事前にやっておきたいことは多くあります。

初心者が快適に登山を楽しむには、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。今回は登山初心者の方が用意するべき装備や学んでおくべきマナー、オススメの山をご紹介します。

登山に必要なもの

登山は誰でも楽しめる趣味である一方、急な斜面や凹凸、変わりやすい天気など、危険を招く要素もたくさんあります。安全に登山を楽しめるよう、専用の装備品はしっかり整えておきましょう。

登山ウェア・レインウェア

山に登るには、登山専用のウェアや雨具(レインウェア)の準備が必須です。山はわずかな標高差でも大きく気温が変わるもの。標高100m程度の差でも、0.5~0.6度もの気温差が生まれるといわれています。そのため寒い時期だけでなく、夏場の登山でも体温調節機能に優れた登山ウェアの用意が必要です。

登山ウェアは重ね着(レイヤリング)するのが前提です。直接肌に触れるアンダーウェアは、吸った汗が早く乾く速乾性の素材がベスト。その上には乾きやすい素材の長袖シャツを身につけましょう。

夏場でも山頂付近は気温が下がりやすいため、長袖シャツの上から身につけられるアウターをもう一着用意しておきましょう。雨や霧で体温が奪われないよう、保温性の高いフリースなどの素材がオススメです。

パンツも必ず長ズボンを選びましょう。吸汗速乾性の素材であるのはもちろん、動きやすいストレッチ素材のものなら登山中も邪魔になりません。

レインウェアを選ぶ際の条件は「防水性」と「透湿性」。雨に濡れても染みないのはもちろん、風を通さずに湿気だけ外に逃がす素材がベストです。登山用レインウェアではゴアテックスという素材が使われることが多く、防水性と透湿性に優れた素材として高い人気を誇ります。

またレインウェアを選ぶ際には、着替えやすく持ち運びも困らない上下セパレートのものがよいでしょう。どれを選んだらよいか迷うようなら「ゴアテックス素材」「上下セパレート」のレインウェアを選ぶのをオススメします。

登山靴

登山で歩く道は舗装路ではないため、一般的な運動靴では非常に疲れます。長時間荒れた道を安全に歩くためにも、登山用の靴を選びましょう。

一般的には登山靴、トレッキングシューズと呼ばれる靴が登山用の靴に該当します。つま先と靴底が固いのが特徴で、形状によってくるぶし程度までのローカットや、くるぶしまですっぽりと覆うミドルカットに分類されます。標高の低い山に登るならローカットで十分ですが、ある程度高く荒れている山に登る際にはミドルカットのものがおすすめです。

形状が似ているので一般的なスニーカーで十分という方もいますが、防水性や疲労の度合いに大きな差がありますので、安くても登山靴・トレッキングシューズを選んでおいた方が無難です。

ヘッドライト

明るいうちに下山する予定だったとしても、ヘッドライトの用意をしておいた方がよいでしょう。初心者のうちほど予定が大きく崩れ、暗くなってからの下山になるケースが少なくありません。また山小屋で一泊する際にはトイレに行く道に明かりがない場合もありますので、必須アイテムといえます。

明るくするだけなら懐中電灯でも可能ですが、手持ちの懐中電灯では手が塞がってしまうため、転倒した際にケガをしやすくなります。またうっかり落としてしまう場合もあるため、頭に固定できるヘッドライトの準備を強くオススメします。

食料・飲料

短時間の登山であっても、食料・飲料の用意はしておきましょう。登山は想像よりもはるかに汗をかきやすいため、水分の補充は必須です。水分が不足するとそれこそ命に関わりますので、必ず水分は持っていきましょう。荷物をできるだけ軽くしたい場合でも、最低限1リットルは必要と考えておきましょう。

食料はかさばりやすいため、小さくてカロリーが大きい食料がよいでしょう。スナック菓子や一般的なお弁当は荷物を圧迫しやすいため、チョコレートやスナックバーといった、コンパクトでカロリーが豊富なものがオススメです。

リュック

登山は携行する道具が多いため、リュックの用意は必須です。登山中は常に両手を空けておく状態が好ましいため、手提げや肩掛け鞄ではなく、背中で背負うリュックが必須といえます。できれば腰ベルトがあるタイプを選ぶのが望ましいでしょう。

登山の日程が延びるほど携行する道具の量が増えますので、スケジュールに応じたサイズのリュックを選びましょう。

登山のマナー・注意点

登山は多くの人が同じ山を登って楽しむもの。誰もが快適に過ごせるよう、マナーを守る必要があります。登山のマナーは行動から食事、立ち振る舞いなどさまざまです。種類はありますが複雑ではありませんので、ひとつずつ覚えて快適な登山に臨みましょう。

ごみは必ず持ち帰る

登山に限った話ではありませんが、ごみは必ず持ち帰りましょう。持ち込んだ食べ物の袋などを山に捨てるのはもちろん、山小屋に捨てていくのも厳禁です。

また食べ残しやゆで汁などの食品も山に捨ててはいけません。通常山に存在しない油や添加物などで山を汚してはいけないのは当然のこと、熊やイノシシなどの動物を刺激することにもなりかねません。

山に入る時点で包装は最低限にし、山で出たごみは小さく折りたたんで持ち帰りましょう。また食料品は食べきれなくても捨てなくてよいように、個別包装のものを選ぶのがオススメ。ゆで汁やラーメンのつゆが出ないよう、汁ものは避けた方が無難です。

食器や調理器具は洗わない

登山中の食事で使った食器や調理器具は、洗わずにそのまま持ち帰るのがマナーです。食べ残しやゆで汁同様に、食器を洗った水に付着した油や添加物などが山を汚してしまうため、山に食器を洗った水を捨てていくのは厳禁とされています。自然環境を守り、誰もが長く山登りを楽しめるように配慮した行動が求められます。

汚れはティッシュで拭き取り、食器をジップロックなどの密封できる袋に入れると持ち帰りやすいでしょう。密封できる袋はいろいろな用途に使えますので、邪魔にならない程度に多めに持っていくと便利です。

一列で歩く

山道の多くは狭く細い道ばかり。グループで登る場合には、一列になって歩きましょう。同じ道を登る側・下る側が使いますので、すれ違いやすい状態を作っておくと親切です。

また歩くペースが速い別グループには、早めに追い抜いてもらった方が安全ですので、追い抜きやすいように道を空けておくとよいでしょう。

仲のよい友だちと一緒に登山し、おしゃべりを楽しみたいという気持ちはよく分かりますが、危険を招かないためにも一列での登山を徹底しましょう。

登りが優先

同じ登山道を登る側・下る側が共用する山では、原則として登る人を優先にしましょう。下る側が焦って転倒し落石を起こしてしまうと、下から登ってくる人にケガを負わせてしまう恐れがあります。また一般的には登る側よりも下る側の方が相手に気がつきやすいため、余裕を持って対処できます。

ただし、道によっては登り側が避けやすい地形である場合もありますし、ゆっくりと登ってくるため下り側の待ち時間が非常に長くなる場合などもあります。安全を確かめながら、状況に応じた対応をするように心がけましょう。

登山道から外れると危険

それぞれの山に設けられた登山道からは決して外れないように注意しましょう。登山道は安全な山登りを楽しめるように整備された道です。初心者でも安心して登れる道ですが、登山道から少しでも外れてしまうと、山によっては滑落・転落の危険があります。

登山道は登りやすさのためだけでなく、自然環境の保全のためという目的もあります。人が登山道を設定し、それ以外の場所に人が立ち入らないようにすれば、それだけ自然の状態が保たれます。山という自然環境にお邪魔している意識を忘れずに、山登りは登山道に従って楽しむようにしましょう。

初心者におすすめの山選びの条件

道具を揃えてマナーも勉強したなら、いよいよ登山本番です。しかし日本には登山を楽しめる山は数百数千とあり、どこを選んだらよいか分からないかもしれません。初心者が登山を楽しめる山を選ぶには、どのようなポイントを基準に選べばよいのでしょうか。

コースタイム4~6時間以内

初心者のうちは、登山地図やガイドブックに記載されたコースタイムの合計時間が4時間程度の山を選ぶとよいでしょう。たとえ体力に自信があったとしても、初めのうちは6時間程度までに抑えておくのが無難です。

このコースタイムは、寄り道せずにまっすぐ登って下りるのに必要な時間です。地図やガイドブックによって同じ山でもズレがある場合がありますので、おおよその時間として考えておくとよいでしょう。

また休憩や寄り道の時間は考慮されていませんので、一般的には掲載されているコースタイムよりも長い時間がかかります。仮にコースタイム4時間の山に登るとしても、きっちり4時間後に帰ってこられるとは限りませんので、たっぷりと余裕を持った時間を計算しておきましょう。

標高1000m以下

登山初心者のうちは、標高1,000m以下の山を選ぶのが無難でしょう。標高が高くなればなるほど気温が大きく下がります。標高差があればあるほど気温差も大きくなりますので、あまりに大きな標高差がある山では、初心者は寒さ対策が十分に行えない恐れがあります。

また標高が高い山ほどコースタイムが伸びる傾向があります。普段から体を動かし体力に自信があるとしても、山における体力の消耗に慣れないうちは、思わぬ疲労を招いてしまう場合もあります。危険を感じたらすぐに下山できるよう、初めのうちは標高が低い山から挑戦するとよいでしょう。

なお、標高が低い山が必ずしも初心者向けとは限りません。事前にガイドブックなどを確認し、初心者向けの山であることを十分に確認しておきましょう。

ケーブルカー・ロープウェイが利用可能

登山初心者の間は、無理せずにケーブルカーやロープウェイが通っている山を選ぶのが安全です。ある程度標高が高い山であっても、途中までケーブルカーやロープウェイで運んでくれます。傾斜が厳しく初心者には難しいゾーンを避けてくれる場合も多いので、初心者でも比較的安全で楽な登山を楽しめるでしょう。

予想していたよりも体力の消耗が激しく、途中で下山したいと思ったときにも、ケーブルカーやロープウェイの停留所まで戻れば下山できますので、事故や体調不良のリスクを大きく下げられます。帰りはロープウェイから見える景観を楽しみ、次回またコンディションを整えて再挑戦するのもよいですね。

趣味人倶楽部の登山コミュニティに参加しよう

誰かと一緒に登山を楽しみたい、登山について語り合う仲間が欲しいという方は、趣味を楽しむ大人のSNS「趣味人倶楽部」にご参加ください。

趣味人倶楽部は、趣味の時間を大切にする大人が集まる会員制のSNSです。さまざまな趣味の愛好者が集まるコミュニティが多数。自分好みのスタンスで趣味に取り組める環境が揃っています。

登山を楽しむ方も、年代や地域、楽しみ方ごとにコミュニティを形成。それぞれの楽しみ方を満喫しています。仲間で集まってのハイキングや低山へのトレッキングを楽しむコミュニティもあれば、山にこだわらない自然を楽しむコミュニティも。ハードに岩場登りを楽しむ方もいます。

登山を通じた交流に興味がある方は、ぜひ趣味人倶楽部のコミュニティを覗いてみてください。

まとめ:まずは低山に挑戦してみよう

登山は年齢や性別、住んでいる地域を問わず誰でも楽しめる趣味のひとつです。初心者向けのコースや山も充実している一方、自然の中に入る以上、正しく楽しむための準備やマナーが求められる面もあります。

ケガをせずに登山を一生の趣味として楽しめるよう、道具の準備やマナーの勉強に取り組みましょう。その上で自分の体力や経験にあった山を選べば、きっと充実した登山を体験できるはずです。

趣味人倶楽部に無料登録する

無料会員登録