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高齢者の運動プログラムを解説!自宅でできる簡単トレーニングも紹介

人間の身体能力は10~20歳代でピークを迎え、それから加齢によって徐々に低下していきます。さらに高齢者になると筋力や心肺機能の低下が目立つようになり、身体を動かす機会が減ったり、身体のあちこちが痛くなったりと、日常生活にもさまざまな影響が出てきます。

このような状況を改善するためには、毎日の生活に運動するという習慣を取り入れて、自分の身体を自分で管理することが必要です。高齢者になっても、年齢に合わせた運動を選んで実行すれば、身体機能の低下を防ぐことは十分に可能です。ここで解説する運動の基本をマスターして、元気な日常生活を取り戻しましょう。

高齢者が運動することで得られる効果

腰痛・肩こり・関節痛など、年齢だから仕方がないとあきらめている症状も、実は筋力の低下や血流の悪化など、身体機能が衰えることが大きな原因になっています。こうした症状の改善も含めて、運動するとどれだけ身体によいことがあるのか、その効果から考えてみましょう。

基礎体力の向上

身体を動かす機会が減ると、日常生活に必要な筋力も維持できなくなり、ますます動くことが面倒になります。その結果1日中テレビの前に座ったままであったり、すぐに横になってしまったり、およそ健康からはほど遠い生活が続くようになってしまいます。

生活の中に運動を取り入れれば、高齢者であっても基礎体力を向上させることは可能です。筋肉は使わないと退化しますが、適度に負荷をかけていると成長します。これは高齢者にも当てはまることで、少しずつでも運動を継続することにより、全身の筋肉を強化できるのです。

また、有酸素運動を取り入れれば、心肺機能を向上させることもできます。こうして運動が習慣化することで、身体機能が全般的に改善され、骨が強くなり内臓の機能も活発になります。毎日の適度な運動は、まさにいいことずくめと言ってよいでしょう。

ストレス解消

運動することで得られるもう1つの効果は、健康不安の大きな原因になるストレスを解消できることです。運動によるストレスの発散効果は広く知られていることであり、適度な運動の後で爽快感を感じた経験は誰にでもあるでしょう。

室内での運動以外に、ウォーキングのように屋外での運動も実践できれば、ストレスの解消効果はさらに高まります。しかもストレス解消はやる気の向上にもつながり、精神的な安定感も得られることから、脳機能の向上にも役立つと言われています。

充実した生活を送ることができる

運動によって得られる効果は身体と精神との両方に及ぶため、生活の質を向上させるという結果にもつながります。身体を動かすことが苦にならなければ、外出する機会や他人と交流する機会が増え、より活動的な日常生活を送れるようになるでしょう。

さらに、精神的な充実感が続くようになれば、新たな目標や生きがいを見つけられるかもしれません。このように運動が生活の一部になると、体調がよくなるだけではなく、精神面もプラスの方向に軌道修正されるので、毎日の生活が今までよりも楽しくなるのです。

高齢者向け運動プログラム

ここからは、高齢者が簡単に取り組める運動プログラムを紹介します。重要なポイントは無理をせず自分の体力に合った運動を実践することと、長期的に継続できるプログラムを選ぶことです。

筋力トレーニング

筋力トレーニングの基本は、日常生活でかかる以上の負荷を、繰り返し筋肉に加え続けることです。最も始めやすくて効果が高いのは、ダンベルという運動器具を使ったトレーニングでしょう。ダンベルとは持ち手がついた重りのことで、それを上げ下ろしして筋肉を強化します。以下にダンベルを使った代表的なトレーニング法をいくつか挙げてみます。

●カール:両腕にダンベルを持って、そのまま肘を曲げて前方に持ち上げる。

●スクワット:両脚を肩幅に開いて立ち、両手にダンベルを持ったまま腰を下げてゆき再び戻す。

●プレス:仰向けになった状態で両手にダンベルを持ち、腕を伸ばしながら持ち上げる。

●ショルダープレス:軽く両脚を開いて立ち、肩の位置で持ったダンベルを真上に持ち上げる。

ダンベルを使ったトレーニングには、非常に多くの種類があるので、詳しいやり方はインターネットなどで調べてみてください。高齢者の場合ダンベルは1つ2kg程度で十分です。ダンベルを使わずに、腕立て伏せや腹筋運動、スクワットなどをするだけでも効果は得られます。

有酸素運動

筋力トレーニングでは心肺機能を高めることはできません。心肺機能のアップには有酸素運動が効果的です。つまり走ったり泳いだり、連続的に呼吸をしながら行う運動のことですが、そのように過度の負担がかかる運動よりも、楽しくリラックスしてできるウォーキングをおすすめします。

最初は短距離で短時間でも構いません。普段歩くよりも速めのスピードで、ひざの上げ下ろしや曲げ伸ばしを意識しながら、正しい姿勢で一定時間歩くことから始めます。慣れてきたら徐々にペースを上げたり、歩く距離を伸ばしてみるとよいでしょう。

バランス運動

高齢になると急激に落ちるのがバランス感覚です。これを高めることは、生活の質向上に大きく役立つでしょう。バランスボールのような運動器具を使う方法もありますが、室内で自分の身体だけを使うトレーニングでも十分です。

例えば壁を前にして立ち、両手を壁についた状態で両脚のかかとを上げるトレーニングや、片足で立って両腕を左右に伸ばし、一定時間体重を支えるトレーニングなど、工夫次第でいろいろな運動ができます。室内にあるイスや机を上手に利用すれば、さらに効果的なバランス運動もできるでしょう。

運動不足解消に効果的な趣味

最後に運動というよりは趣味として、運動不足の解消と身体機能の向上を図る方法を紹介します。この場合も決して無理はせず、現状の改善と健康維持を目標にしてください。

散歩・ウォーキング

運動プログラムの項目でも紹介しましたが、ウォーキングは最も手軽で効果的な有酸素運動です。ただし体力的な不安が大きい時には、運動ではなく趣味としてのウォーキングを実践してみましょう。簡単に言えば散歩です。

1日のうちの決まった時間に、約20分程度のコースを設定して、普通に歩くペースでひとまわりすればよいのです。慣れてきたら少しずつ時間を延ばしますが、気軽にリラックスして歩くだけでも、運動と同様の効果を手に入れることができるでしょう。

登山

登山と言っても、重装備で名峰にアタックすることではありません。趣味としての登山は、森林浴の延長線上にあるもので、アップダウンのある低山を爽快に歩く低負荷のスポーツです。仲間と一緒に楽しめば、趣味と運動との一石二鳥にもなります。

また、登山に必要な体力を維持するために、普段からウォーキングなどを続けるようになれば、それ自体が適度な運動として効果を発揮するはずです。

水泳

水泳は本気で取り組むと相当にハードな運動です。高齢者は自分のペースで、水中で身体を動かすことを目標にするとよいでしょう。水中では浮力が働くため、腰や脚などの身体各部に負担がかからないという利点もあります。ただし自己流ではなく、専任のコーチの指示に従って安全性も確保してください。

まとめ:ハードな運動は必要ない

高齢者に運動は無理、という言葉は当てはまりません。高齢になっても身体機能を改善し、それを維持しながら若々しく生活することは可能なのです。そのためには毎日の生活に、適度な運動を取り入れることを第1に考えましょう。

基本的に高齢者の運動は、生活の中で行う動作に、少しずつ負荷をプラスすることがポイントです。この時に決して無理はしないことです。筋力トレーニングにしてもバランス運動にしても、短時間の動きを1つのセットにして、間に休憩をはさみながら一定の回数を繰り返すようにしてください。

筋力や心肺機能が向上すると、日常生活で身体を楽に動かせるようになり、食事も美味しく食べられるようになります。さらに精神面でも健康になるため、やる気がアップして新しい目標が見つけられるかもしれません。簡単なことから始めればよいので、明日と言わず早速今日から生活の中に運動を取り入れてみましょう。

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