「五木寛之」の日記一覧

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149、『いまを生きるちから』(五木寛之著)は「日本人の持っているちから」を信じ、それを伸ばしていく

『いまを生きるちから』 五木寛之著 角川文庫 平成20年12月25日発行 ー「ラジオ深夜便」(2020年12月号)の「五木寛之のラジオ千夜一話」の「コロナ禍に思うことその3」で、僕が特に感動したことを、五木さんが書いていた。 ー個人の努力ではどうすることもできない現実を目の前に突きつけられ、無力感にさいなまれる。  「努力はうそをつく」という羽生結弦さんの言葉に、それでも努力を積み重ねていくアス…

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142、『林住期』(五木寛之著)は重苦しい時代に生きる方々に、ひとつの涼風となることを夢みて

『林住期』 五木寛之著 幻冬舎文庫 平成20年9月20日発行 ー人生を4つの時期に分けて考えた。「学生期」、「家住期」、そして、「林住期」と「遊行期」。「林住期」とは、社会人としての務めを終えたあと、すべての人が迎える、もっとも輝かしい「第3の人生」のことである。(「白秋期」)  人の一生は、山あり、谷あり、まさに『喜びも悲しみも幾年月』という感じである。  どの時期が人の絶頂期といえるのだろう…

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138、『いまをどう生きるのか 現代に生かすブッダの智慧』(五木寛之・松原泰道著)を読む

『いまをどう生きるのか 現代に生かすブッダの智慧』 五木寛之・松原泰道著 致知出版社  平成20年12月25日発行 ー人間同士が向き合って、上下でなく平座で語りあう。そのことから仏教ははじまるのだ。  人間にとって最も大事なことを、「易しく」「深く」「広く」語った3人の仕事は、日本人の心に流れ入る。  私は晩成の仕事を尊いと思う。  「易しく」「深く」「広く」という3つのお仕事をなさったお3人を…

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五木寛之 の 青春の門(第一部)筑豊篇

★3.7 どこかで山崎ハコの「織江の唄」を聞いた、それで再読する気になったか、作者が最近書いた続編も気になっている。 伊吹信介は昭和10年、北九州の田川で生まれた。父の重蔵は川筋気質の炭鉱夫仲間から〈あばれ蜘蛛〉とか〈のぼり蜘蛛の重〉と呼ばれ一目置かれていた。 信介の母は幼い時に死んで記憶にはなく、信介を育ててくれたのは後妻のタエである。重蔵がカフェの女給をやっていた森島タエに惚れ、やくざの塙…

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気を引き締める

ある女性作家の書いた新書が書店に並んでいる。 「続・夫の後始末」 「新しい生活」 そのよこに別の男性作家の 「死の教科書」 手に取って見てもいないが、男として気を引き締める。 男が死んでから新しい生活かよ 死に教科書なんているの なんて読まずに勝手に思い、解釈をしながら。

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「親鸞」を読む

 今からちょうど3か月前に、義理の兄が傘寿で亡くなった。その兄の遺品の中に、五木寛之著、中日新聞社刊、特装版「親鸞」6巻があった。 親鸞上下、激動編上下、完結編上下、いずれもカラー挿絵付き1600円の本だ。 2010年から全国の新聞小説で連載され、完結編は2014年に連載されている。 今から6年前だ。 義兄は購入したものの一度も目を通してなく新品だった。 この本は、講談社文庫でも刊行されている…

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愛 の 水 中 花

五木寛之の書いた小説「水中花」がテレビドラマ化され その主役に抜擢されたのが松坂慶子である この歌の歌詞は五木寛之本人が書いたものです 松坂慶子は早産で未熟児であり、古い牛乳をのみ 生死をさまよっている 綺麗な人だ 母は日本人、、父が韓国人だと言うことは有名な話だ 苦労した末に、母の日本国籍で日本人となった 日本人になるまでには色々な苦労があったようだ 彼女や五木寛之には若い頃…

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109、「こころの相続」(五木寛之著)はこころの相続が集まって歴史は作られていくと

「こころの相続」 五木寛之著 SB新書510  2020年7月15日発行 ーわずか13歳の中学生だった私は、必死で脱北をはたし故国へ帰ってきたのでした。  ですから長い間、私は親から何1つ相続していない、と思い込んでいたのです。  考えてみれば、目に見えないものを受け継いでいるのかもしれない。 「自分は、じつは相当なものを相続していたんだな」 「こころの相続」とはそういうことです。  金や土地の…

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102、「白秋期ー地図のない明日への旅立ち」(五木寛之著)は天寿までの時間を自分自身のために使うこと

「白秋期」 五木寛之著 日経プレミアシリーズ392 2019年1月23日発行 ー50歳を過ぎて、さらに50年の明日が待ち受けている。  その未来に地図はない。  手探りで、さらなる50年を生きなければならないのだ。  白秋期とは50歳から75歳あたりまでの25年間である。  白秋期は、晩年ではない。むしろ人生の収穫期ではないか。  無駄なエネルギーを消費せずに、合理的に冷静に歩いていく。周囲を眺…

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99、「哀愁のパルテイータ」(五木寛之著)は60年安保世代の生きざま描く

「哀愁のパルテイーター南欧小説集」 五木寛之著 集英社文庫 1989年10月22日発行 ー 暗いはしけ  「ポルトガルに来ようと言い出したのも、彼がファドを聞きたいと言い張ってきかなかったためだよ」  遥かなるカミ二ト  秋山がブエノスアイレスの飛行場に着いた時、  アルゼンチンへ一人でやってくる 「なんだって、カミ二ト?」 「曲の名前だよ」  彼はため息をついた。わからないことばかりだった。相…

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95、「百歳人生を生きるヒント」(五木寛之著)は居心地のよい場所を確保すること

「百歳人生を生きるヒント」 五木寛之著  日経プレミアシリーズ 2017年12月20日発行 ー7万年前、アフリカの片隅でとるに足りない動物だった人類が、西暦2017年の現在、神の力の一部分を手に入れ、肉体の有効期限を、年々更新させていくことに成功している。  2007年に日本で生まれた子供の半分は、107歳以上生きることが予想されるというのです。  私は現在85歳で、百歳まで生きる可能性はかなり…

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80、「夜明けを待ちながら」(五木寛之著)は自己責任の時代だと

「夜明けを待ちながら」 五木寛之著 東京書籍 平成10年12月25日発行 ー1年間に23000人の自殺者が出るということは平和とは言えないのです。ある意味ではこれは戦争なのです。それは心の戦争であり、「インナー・ウオー」という言葉がぴったり来るかも知れません。  人生というものはたしかにひどいものだ、絶望的なものだ、と。だけど、だからといってそれを投げ出してしまうほどではないと思う。  生きると…

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五木寛之「最高のマイナス思考から出発しよう」 1人で孤独だが繋がる時代にどう生きていくか

「アローン・アンド・トゥゲザー」の時代 ――前編では、コロナ後の時代のキーワードとして、「3密」ならぬ「三散」についてお話しいただきました。日常生活から教育、産業、経済、政治まで、いろいろな水準で「分散」「拡散」「逃散」が加速するというお話でした。そういった時代に、人間関係はどのように変化するとお考えでしょうか。 テレビを見ていたら、再開したある学校のことを報道していたんです。そこで先生たちが議…

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ブックカバーチャレンジ6冊目「新・幸福論」

7日間ブックカバーチャレンジ6冊目 ★「新・幸福論ー青い鳥の去ったあと」五木寛之・著 ポプラ社より2012年に刊行された「書下ろし」です。 メーテルリンクの「青い鳥」‥誰でも一度は読んだことがある、または聞いたことがある名作だと思います。 しかしながら、一体どんなお話しだったのか、最後まで結末がハッキリしないストーリーですね。 童話というものは多分に子どもたちに向けて書かれているので、…

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7日間ブックカバーチャレンジ2冊目「大河の一滴」

ブックカバーチャレンジ2冊目をご紹介致します。 私が読んだ本の中では比較的たくさん愛読した五木寛之氏の 「大河の一滴」を挙げたいと思います。 本書は1999年3月に幻冬舎より刊行されました。 私が読んだのも15年も前になるでしょうか。 彼のエッセーに流れるメッセージは一貫して「頑張れ!」とは 書かれていないのが、実は私が好きな理由のひとつです。 作者も読者と一緒になって悩むところからスタートし…

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「歎異抄の謎」(五木寛之著)はヒューマニズムの終りに見いだされる1冊だと

「歎異抄の謎 親鸞をめぐって・「私訳歎異抄」・原文・対談・関連書一覧」 五木寛之著 祥伝社新書 2009年12月25日発行 ー率直にいえば、ルネッサンス以来の魂の大恐慌です。  ヒューマニズムという人間中心主義の思想が、いま根底からくつがえろうとしている。何百年に一度の心の大恐慌が、いままさに幕をあけたのです。  11年連続して国内で年間3万数千人の自殺者が記録されるというのは、ただごとではあり…

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1日1首(令和2年1月26日~1月31日)

令和2年1月26日 2月7日シルバー人材センターの説明会で方針決める     1月27日 投稿は読まれることを覚悟して誠心誠意書かねばならぬ     1月28日 辞めるなら辞表を出せと言われたり今月中に出さねばならぬ     1月29日 会食の茂花の料理美味しいや3000円でもたまには良いや     1月30日 入浴の仕事を吾がするように2月の勤務表に記すと     1月31日 よむよ…

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13、「百寺巡礼第3巻京都1」は、特に、東本願寺、西本願寺と清水寺が面白い

「百寺巡礼 第3巻 京都1」 五木寛之著 講談社文庫 2008年11月14日発行 ー第21番 金閣寺  休筆期間中は、京都市左京区の聖護院というところに住んだ。  一応、京都の市民として生活した。  しかし、通算6年にわたって京都の街に住みつき、毎日のように歩いていても、しょっちゅう行くところもあれば、不思議と縁遠い場所というものもある。  初代将軍尊氏のころから、この南北朝の統一は宿願だった。…